矢口真里に復活の兆し…好感度は地に落ちても人を引きつける愚直さ
2016年07月31日 12:00
芸能
そんな疑問を抱えながら取材した、今月21日のイベント。「モーニング娘。」で一世を風靡(ふうび)した元アイドルが泥のプールにつかっていた。事務所の現場担当者が「ヨゴレが汚れ仕事ですよ」とやや自虐的に笑っていたのとは対照的に、自ら泥を鼻に塗りつけ大はしゃぎ。「キモチイイ~!」となまめかしい声で連呼し、完全に“ネタ要員”の扱いだった。
関係者は仕事増の要因に、まずこうした選り好みしない姿勢を挙げ「もはや矢口は芸人枠です。芸人にもできないようなオファーが実際に来たりするが、だいたい受けている」と証言する。
さらに、もうひとつ思わぬ要因があるという。ゲームやパチンコなど、遊興に関する業界からのオファーが増えたこと。事務所側もまったく想定していなかった新境地の掘り起こしだ。関係者は「理由はよくわからないですが、すごく増えている。昔から、ゲーム好きとは言っていたけど…。快楽をどん欲に求めた生き様が、業界にマッチしているんでしょうか?」と冗談を交えつつ、「捨てる神あれば拾う神もありですね」と、嬉しい誤算に首をかしげる。
それでも、好感度はいまだ地に落ちている状態だ。タレントとして矢口を“拾う神”は、どこに魅力を感じているのか。その答えに直結しているかは分からないが、21日の取材で、とことんすがすがしい表情が印象に残った。復帰直後は空元気の一方で、表情を曇らせることもあったが、ここにきて過去と完全に決別する覚悟を固めたように映った。思い起こせば、矢口最大の強みは、逆境に置かれるほど新しい力を身につけて飛躍するところ。「モー娘。」で人気下位に低迷しても、男性問題でグループを離れアイドル生命の危機を迎えたときも、臨機応変に姿を変えて生き残ってきた。
不倫のダメージはこの先も完全に払拭されることはないだろう。ただ、パンストをかぶったりバンジージャンプをするのが当たり前になっても、恥や外聞をかなぐり捨ててでも「芸能人」であろうともがき、居場所を得ているように見える。愚直さは人を引きつけるもの。逆風吹きすさぶ中、今度はどんな道を歩むのか。(記者コラム)