「シン・ゴジラ」大ヒット!20年東京五輪の開会式登場もある!?
2016年08月22日 08:00
芸能
庵野氏らしく実写版エヴァンゲリオンといえる構図も多い。目的不明で突如現れるゴジラはエヴァに出て来る人類の敵「使徒」そのもの。出演者のアップを多用しているところも似ている。戦車群の攻撃シーンなど特撮描写も細かい。ゴジラと川を挟んで対峙し、発砲した後に反動で戦車が動くところなんか特撮ファンからすれば鳥肌ものだ。
ゴジラのデザインは禍々しい。体高118・5メートル、頭も小さく巨大感をあおる。三白眼で見下ろしているのも怖い。1954年の初代ゴジラの頭は、きのこ雲のイメージを取り入れているが、今作も角度によってはそのように見える。これまでの着ぐるみとは違い、フルCGというのも興味深い。ただ、顔のアップでは一見ギニョール(パペット人形による特撮)かと思わせるシーンもある。そこは古き良き特撮に対する庵野氏のこだわりなのかもしれない。
これからもゴジラは続く。アニメ版が17年、ハリウッド版の続編が19年、ゴジラVSキングコングが20年の公開を待つ。世界で愛されるキングオブモンスターであるだけに、東京五輪の開会式の演出で登場することも十分ありうる。映画「クローバーフィールド」「パシフィック・リム」などここ数年、世界に押されていた怪獣作品。庵野氏により“ニッポンの空想特撮”健在を世界に指し示した。(記者コラム)