「真田丸」加藤清正熱演の新井浩文“ドライな”演技論「内面は何も…」
2016年08月27日 09:00
芸能
新井自身は「そもそもウチは日本の戦国武将はあまり知らなくて、根本的に時代背景も分かってないし、人間関係もよく分かっていないです。今回演じる上で加藤清正は名前くらいしか知らなくて、本やインターネットで調べても結局はいろんな説があったので、どれが正しいか分からないのが歴史の面白さなんじゃないかなと思います」と従来の清正像には縛られなかった。
「(時代劇は)空想でしかないから、いかにそれを面白く見せるか、そこは作り手の問題。あとは見てくれる人たちがどう受け取るかというのは見る側の問題ですから。今回の作品は、自分で見ていても面白いし、時代を知らないウチでも見やすいなと思っています」
それでも「大河クラスになると凄く難しいのが(役者たちの)年齢も違うし、やってきた土台も違うし、芝居のアプローチとかも全部違う。どれが良いかというのは絶対に分からないわけですが、年配の方の見慣れてきた時代劇調の台詞回しとは違う、ウチみたいにサラッと話すような役者を“学芸会みたいだな”“こいつ下手くそだな”と思う方もたくさんいると思うんですよ。でもウチはそれをやりたくないし、これからもしないし、たぶん時代も変わっていって時代劇調も薄れていくと思いますし…。そういうのは難しいなと思いましたね」と初の大河出演で感じた苦労を明かした。
そんな“新井流”の役作りは実にシンプルだ。「目に見えて分かるもの、例えばボクサーだったらボクサーの体を作る、というのを役作りでやります。でも内面的なものとかは、台本と監督が決めたらいいと思っているので、特に何もしません」とアッサリしている。
どの作品でも「役に徹するって凄い格好いい言葉ですけど、徹せられるわけないじゃないですか」が持論。特に時代劇となれば「まず髪形も本気でやんなきゃいけないし…。“僕、役に徹しています”とか言っても、それはヅラでしょ。そういう人が言っても何の説得力もない」と見解。「カットがかかったら(役を)すべて忘れたいです。セリフなんてOK出たら一瞬でトビますよ。ほとんど覚えてないです」と笑った。
ここだけ切り取れば、後ろ向きな発言に聞こえるが、役に徹するのが難しいからこそ、台本と演出に忠実なのが新井のアプローチ。それゆえ、脚本を務める三谷幸喜氏(55)の世界をストレートに表現する。「(三谷氏の)映画は何本か見たことあるんですけど、お仕事をしたのは初めてで、やっぱり好きだったから、とても面白いです」と興味深く取り組んだ。
第34話「挙兵」(28日放送)は三成の孤立が進み、いよいよ時代は「関ヶ原」へと動く。清正の動向が東西陣営の人間関係へと大きく関わっていく。