テレ朝人気の気象予報士・依田司氏 魅力は「安心感」と「対応力」
2016年08月30日 08:00
芸能
◆喋り始めてから「押し巻き」指示が…台本見てたら対応できない
――中継には台本なしで臨んでいるのですか?
「生番組なので『今回は3分でやってね』とか押し巻きが多々あります。それも喋り始めてから『1分巻いて』とか指示が出ます。台本や原稿通りにすると押し巻きに対応できません。進行の流れはある程度決まっていますが、きっちりとした台本はなく、頭の中で考えながら喋っています」
――生放送中の対応力が見事ですね
「11年4月から中継が始まったのですが、スタッフの顔ぶれがほとんど変わっていない。“ツーカー”でやり取りができます。例えばリハーサルはできないけど、本番はこういう感じでいこうとか。その辺の心配はしないでやらせてもらっています」
――ロケ先への移動など大変だと思いますが依田さんの主な1日の流れを教えてください
「中継場所によって出発時間が違います。つらいのは朝起きる時間が毎日違うことですね。3時間くらい違うときがある。昨日は遠出だったので深夜0時半ころに起床。4時に現場に着くように逆算して出発時間を設定しています。スタッフは11~12人で、車2台でロケ地へ向かいます。到着したら番組ディレクターと最終的なメニューを詰めていきます。リハはだいたい1回。本番のお天気中継は4回ありますが、あっという間に終わる感じ。風光明媚(めいび)な中継先では散歩とかしたいのですが、休んでいる暇がありません(笑い)。放送後は早めに撤収してテレビ朝日に向かいます。局に戻ったら、あすの準備をして昼過ぎには帰れる状態になります」
◆サル山なのにサルがいない…自然や動物扱うロケは大変です
――自然や動物相手の中継は大変だと聞きました
「サル山からの中継が大変でした。たくさんサルがいて、餌をまくと寄ってきたりすると聞いていたのですが、朝一番で中継したときはサルが一匹もいなかったのです。野球場みたいな広さのサル山なので周囲に何もなく、放送で紹介できるものがなかった。あれは辛かったです…。自然や動物を扱った中継だとハプニングがありますね」
――視聴者には「落ち着いて見られるのがいい。安心感がある」と評判です
「原稿を読んでしゃべっていないので、視聴者の方々と喋りながらというか、そういう風に見てもらっているのかもしれません。駆け出しの頃に『画面の向こうに親がいるような感じで喋りなさい』と先輩に教わりました。例えば『明日はね』と喋ると『なになに?』と親が返事するようなイメージをしてから次に『雨がね、強く降りそうなんだよ』と喋ったり。画面の向こうに人がいるということを意識しながらしゃべっています」
――災害が発生したときに注意していることは?
「人の命に関わるような天気のときは落ち着いてやらないといけないなと思っています。通常の状態のときと警戒が必要な非常時とはメリハリをつけています」