評判広がるアニメ映画「この世界の片隅に」、見るほどに新しい発見
2016年12月01日 20:26
芸能
また、町山氏は「監督の過去の作品の『アリーテ姫』(2000年)と『マイマイ新子と千年の魔法』(09年)との三部作のようにも感じられるんですよ」と指摘すると、「あぁ、そうかもしれませんね。少女の想像力三部作というか」と、自覚もあったようだ。「女性作家が描くものが気持ちとしてひっかかりやすいんですよね。すると必然的に主人公が女性たちになってきまして」と自己分析し、「次作ったら四部作になるかもしれないですね」と笑った。
町山氏は草花の描き方の進化にも言及。片渕監督は「前作の『マイマイ~』のラストカットはタンポポだったんですね。すごい正直言いますけど、(『この世界の~』の)予告編ではそのタンポポをそのまま咲かせてたんですよ」と裏事情を明かし、これには町山氏も苦笑。「映画にした時にこの作品用のタンポポにしたんです」と、本編で新たに描き下ろしたという。
「タンポポはすずさんの象徴なんですよね」との町山氏の指摘には、「映画の中でもすずさんが広島から来た黄色いタンポポで、呉の人たちは白いタンポポということを話していて、黄色いタンポポは摘まないでって言ってますね」と話し、ふわりと飛んできた種が大地に根を下ろす、コトリンゴのエンディングテーマ曲「タンポポ」につながっていると明かした。