大相撲幻想~遠藤、正代、高安、石浦、宇良が改名するとしたら
2016年12月06日 09:00
芸能
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しこ名を決めるにあたっていくつかの基準がある。(1)部屋(師匠)にゆかりがあるもの(2)出身地にゆかりがあるもの(3)そのほか。大きくわければこの3つ。
(1)のケースをさらに細分化するとまずは「ブランディング」。九重部屋の「千代」、佐渡ケ嶽部屋の「琴」、高砂部屋の「朝」、尾車部屋の「風」、伊勢ケ浜部屋の「富士」、田子ノ浦部屋(旧鳴戸部屋)の「隆」、「里」など、師匠の現役時代のしこ名の一字を必ず冠する。ファンにとっては力士の所属部屋がすぐにわかる。
次に「伝統継承」。師匠、部屋にゆかりの力士のしこ名を継承。過去には二子山部屋の貴乃花、若乃花、出羽海部屋の大錦、両国。高砂部屋の朝潮、小錦など。
(2)は現役力士では隠岐の海、御嶽海など。新十両の大奄美が加わったが最近ではあまり見かけない。
(3)は「自由形」。部屋を超えて大横綱・大鵬から一字をとった白鵬、本名から一字をとった豪栄道、漢字一字が光る勢、輝など。
さて本名をしこ名とする力士たち。まずは遠藤の改名は(1)のケースで、伝統継承型か?
遠藤が所属する追手風部屋ゆかりの「清水川」にいずれ改名するという話も出ているようだ。清水川(1900~1967年)は、玉錦の横綱時代に活躍した強豪大関。8代目の追手風親方でもあった。苦労人で人格者としても定評があったという。
語感もさわやかで、遠藤にはふさわしいのではないか?
次に正代。来場所の関脇昇進が濃厚。将来、大関を狙える逸材である。
彼には是非、時津風部屋の伝統的しこ名「豊山」を名乗ってほしい。
豊山は、理事長まで務めた元時津風親方(最高位・大関)と元湊親方(最高位・小結)のしこ名。東京農大出身。正代の先輩にあたる。
伊勢ノ海部屋のホープ、錦木のしこ名は、同部屋に所属した江戸時代の大関から。伝統的しこ名の復活、と話題になった。その伝で…石浦と宇良の小兵コンビにうってつけのしこ名がある。「玉椿」と「大ノ里」。相撲史に燦然と輝く小兵の強豪力士だ。
玉椿(1883~1928年)は明治から大正期に活躍した関脇。身長1メートル59、90キロの小兵ながら、常陸山、太刀山の強豪横綱たちに割って入り、活躍。あだ名はしぶとい相撲っぷりから「ダニ」。所属は雷部屋だから、どちらが名乗っても部屋しばりはないだろう。
大ノ里(1892~1938年)。玉椿の次世代に活躍した大関。身長1メートル64、97キロ。「相撲の神様」と言われた名大関だった。所属若松、湊川部屋。こちらも“部屋しばり”はない。
石浦が「大ノ里」で、宇良が「玉椿」タイプか?
そしてもう1人、九州場所で大関取りに失敗した高安。田子ノ浦部屋所属だから、しこ名に「隆」か「里」の一字を入れる“伝統継承”の公算が大きいが、ここは思い切って(2)と(3)の組み合わせで、自身と同じ茨城県出身の横綱から、第7代の「稲妻」(1802~1877年)と、第19代の「常陸山」(1874~1922年)。大名跡だから大関昇進が絶対条件。粗削りだが、ポテンシャルは高い高安がこのしこ名を継ぐ資格はあると思う。
伝統的なしこ名の復活に夢はひろがるばかりだ。(専門委員)
◎力士味噌
夏バテ時に、あるいはスタミナ補給に、ニンニクが効いた力士味噌は部屋のちゃんこで重宝するという。キュウリなど野菜につけて、ご飯にかけて、そのまま酒のアテにも良い。
【材料】
調味材料=日本酒100ミリリットル、味噌大サジ4、みりん大サジ2、砂糖(三温糖)大サジ2。ニンニク50グラム、鶏ひき肉100グラム、白ごま大サジ2
(1)日本酒を加熱して60ミリリットルになるまで煮切る。
(2)(1)をボウルにあけ、調味材料を加えてよく練る。
(3)ニンニクをみじん切りにし、ゴマ油をしいたフライパンで焦げ付かないように半量を炒める。
(4)(2)を流し入れ、よく混ぜ、もう半量のニンニクを加える。
(5)炒めながら水分を飛ばし、粘りが出てきたらゴマを加えてできあがり。
※さらにニンニクを効かせたい場合は、ニンニクの量を鶏ひき肉と同量にする。
◆笠原 然朗(かさはら・ぜんろう)1963年、東京都生まれ。身長1メートル78、体重92キロ。趣味は食べ歩きと料理。