「真田丸」大泉洋 信之と幸村の“別れ”秘話 上田への思い 30日総集編
2016年12月30日 10:00
芸能
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「本当に上田とは縁を感じましたね。私の妻が長野の人なので、もともと長野とは縁があったのですが、映画『晴天の霹靂』で上田に来てお世話になった。上田映劇の支配人をはじめ、上田の人は温かい。フィルムコミッションの方々も頑張ってくれてロケもしやすかった。上田の人たちに対する感謝の気持ちがありました。映画が終わってから、今度は大河で“信濃の獅子”と呼ばれる信之さんの役をもらった時には不思議な縁を感じましたね」
――上田映劇という場所にこだわった理由を教えてください。
「映画で凄くお世話になった場所なのですが、老朽化が進んでいて雨漏りもひどい。屋根の修理にも凄く予算がかかるらしく、このままだと閉館せざるを得ないという話を数年前に聞きました。個人的にできる支援がしたいなあとずっと思っていて、何かの機会で上田映劇に行きたいという気持ちがあった。そして、真田丸のイベントが上田映劇であるというので、スケジュールを何とか空けてくれとお願いしました。私のわがままを通していただきましたが、出演できてよかったです。お客さんもたくさん来てくれて、うれしかった。上田にある『檸檬』という中華料理店のあんかけ焼きそばが好きで、今回も行きました。2階で食べ終わったら1階が混んでいてたくさんのお客さんがいたので、うれしくなり、ファンから声を掛けられる前に僕の方からいってお客さん全員と握手しました(笑い)」
――映画の撮影で上田に滞在している時、真田家についてどのように認識していましたか?
「上田には真田家の歴史があることは知っていました。映画を撮影していた頃から、大河ドラマの誘致を頑張っているんですという話を聞いていた。上田の人が“数年前にも署名活動をしたけど、ギリギリのところでダメだったのです”という話をしていたので、いつか実現するといいなと思っていました。それから大河が決まり、三谷さんに声を掛けてもらった時にはビックリしました」
――オフィスキューなどのイベントには「大泉洋さんを見たい」というファンが参加します。今回は、それにプラスして「真田信之を演じた大泉さんに会いたい」とファンも多かったと思います。演じた役柄と二重に注目されることについて、どう捉えていますか?
「きょう上田に来た時に“おかえりなさい”と声を掛けてくれる人がいました。その気持ちって、うれしいですよね。身内以外の人に“おかえりなさい”と言ってもらえることはなかなかないですから。信之さまが上田に戻られたっていう気持ちなのだろうなと思います。上田で言われると意味が深いというか。信之さんは上田の藩主でしたが、松代に移ってしまうという歴史もあるので…。そこまで考えると“おかえりなさい”という言葉の意味は深いですよね」
――物語のクライマックスの部分についてお聞きします。第49話「前夜」では死ぬつもりでいる幸村の気持ちを悟った信之が、大坂城で弟を説得しようとする場面がありました。幸村との別れ際のセリフ「これは今生の別れではない」が印象的でした。
「複雑な気持ちでした。どうしても演じる時には信之さんと大泉洋である僕自身が共存しているわけで…。歴史を知っているので、大泉は今生の別れだと知っている。演じていても、そこを切り離すのが難しかった。信之さんも最後だという思いはあったでしょうが、それを信じたくないという気持ちもあったと思う。実はオンエアではカットされているのですが、台本では『これは今生の別れではない』の後に『だから振り向かぬ』というセリフがあったのです。大泉洋である私は振り向けばいいのにな…と思っていました。これが幸村と会う最後なんだぞ、と信之さんに伝えたいような複雑な気持ちがありましたね」
――1年間を振り返って「真田丸」への思いを教えてください。
「メーンである真田家の人物を演じられたのは貴重な体験でした。大河は主役以外の登場人物が死んでしまうことが多いですが、私は主役よりも長く生きる役だった。本当に全部出させてもらって、うれしかった。演じたのはたった1年ですが、弟の幸村が死ぬまでの信之さんの人生をしっかり生きたような気持ちになりました」