大竹しのぶ 芝居に通じる中島みゆきの歌「これからも大切に歌っていきたい」
2017年01月22日 11:50
芸能
「皆さん、主張したいことを音楽を使って素直に表しているんですね。何かその自由さがとてもうらやましくて。芝居は出演者全員のアンサンブルですからね。歌には舞台にはない喜びや楽しさがあると知りました」
自分の感情や考えを音符という見えない宝石に乗せ、一瞬のうちにオーディエンスの心に入りこむ。演劇とは異なる新たな表現世界に魅せられてしまったようだ。年明けからは、研ナオコ、クミコ、坂本冬美らとともに、中島みゆきの作品を紡ぐライブ「歌縁〜うたえにし」にも参加。「化粧」「ファイト!」などを披露している。
「みゆきさんの歌は芝居に通じるものを感じます。特に歌詞が好きですね。ひとつひとつの言葉を大切にこれからも歌っていきたい」
今春には、注目の舞台「フェードル」(東京・シアターコクーン、4月8日初日)が控える。ギリシャ悲劇から題材をとったフランス演劇の名作。サラ・ベルナール、ヘレン・ミレンらが演じた人気作だ。
「ギリシャの古典なんて言われると何か難しい感じもしますが、そうじゃないんですよ。義理の息子を好きになってしまったところへ、行方が分からなくなった夫が帰ってきてしまう。私、どうしようみたいな、まるで昼ドラのようなお芝居ですから」と楽しそうに話した。共演は平岳大、門脇麦ら。演出を手がけるのは、栗山民也氏。
大竹にとってもう一つ楽しみなのは、来月、東京・歌舞伎座で上演される「猿若祭 二月大歌舞伎」。親交が深かった故中村勘三郎さんの孫が初舞台を踏む。
勘九郎(35)の長男・波野七緒八(5)が三代目勘太郎、次男の哲之(3)が二代目長三郎を名乗る。「どっちとも本当に可愛くて。下の子のほうが勘三郎さんに似てるかな。もう稽古を始めているみたいです」と笑顔。
自身の携帯電話には、2人の写真が何枚も入っていた。
◆大竹 しのぶ(おおたけ・しのぶ)1957年(昭32)7月17日生まれ、東京都出身の59歳。桐朋学園短期大学部演劇専攻科中退。73年、ドラマ「ボクは女学生」でデビュー。映画「青春の門(筑豊編)」、NHK朝の連続テレビ小説「水色の時」のヒロインで注目された。その後、ドラマ「男女7人夏物語」、映画「一枚のハガキ」など多数の話題作に出演。