手堅くまとまった冬ドラマ 各局カラーが色濃く SNS時代は初回の質
2017年01月29日 11:20
芸能
今クールの初回2桁の作品数は7本(全12本)。初回2桁5本(全12本)と冷え込んだ昨年1月期に比べると、回復。同4月期の8本(全14本)、同7月期の8本(全14本)、同10月期の7本(全14本)と比べても遜色はない。
ただ「冒険せず、全体的に手堅くまとまった印象」というのが今クール。「A LIFE〜愛しき人〜」を除けば、初回視聴率も「ほぼ予想の範疇に収まった」という。
その中、初回に関しては「局の地力が表れた」。年間視聴率3年連続3冠の日本テレビは「東京タラレバ娘」=13・8%、「スーパーサラリーマン左江内氏」=12・9%、「視覚探偵 日暮旅人」=11・2%と3作品とも2桁を突破した。
作風も「局のイメージが色濃く出た」とみる。日テレは娯楽性、TBSはドラマ性、テレビ朝日の木曜午後9時枠、三浦友和(64)が主演を務める「就活家族〜きっと、うまくいく〜」は“らしく”F3層(女性50歳以上)を狙ってきた。フジは低迷が続くが、今クールは「嘘の戦争」制作の関西テレビが気を吐いた。
SNSがドラマの成否を握るカギの1つとなり「初回のクオリティーが、より一層大事になった」。たとえ初回から15%超えの好スタートとならずとも、質が高ければSNSで拡散され、いつでもどこでも視聴可能な環境の「見逃し配信」から視聴者を呼び込む。初回10・2%→最終回20・8%と“倍増”した昨年10月期のTBS「逃げるは恥だが役に立つ」が好例。
昨年10月3日から、リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率(録画機器などで放送後7日以内に視聴)を合計(重複は差し引く)した「総合視聴率」が登場。録画機器の性能向上、スマートフォンなどを使用したスマートデバイスによるテレビ視聴など、多様化した視聴形態に即した視聴率算出が近年の課題だったが、ビデオリサーチ社が検討を重ね「タイムシフト視聴率」と「総合視聴率」を新しい指標として採り入れた。
しかし「やはり、こだわるのはリアルタイム視聴率」といい「1週間後に出るタイムシフト視聴率を気にしている暇はない。いいドラマを作るという姿勢は変わらない」とした。
ドラマは中盤へ。話題作やブームは生まれるのか。視聴率の推移とともに見守りたい。
【1月スタートの民放連続ドラマ初回視聴率ランキング】(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
(1)14・2%=TBS「A LIFE〜愛しき人〜」(日曜後9・00)
(2)13・8%=日本テレビ「東京タラレバ娘」(水曜後10・00)
(3)12・9%=日本テレビ「スーパーサラリーマン左江内氏」(土曜後9・00)
(4)11・8%=フジテレビ「嘘の戦争」(火曜後9・00)
(5)11・2%=日本テレビ「視覚探偵 日暮旅人」(日曜後10・30)
(6)11・0%=テレビ朝日「就活家族〜きっと、うまくいく〜」(木曜後9・00)
(7)10・9%=TBS「下剋上受験」(金曜後10・00)
(8)9・8%=TBS「カルテット」(火曜後10・00)
(9)8・9%=テレビ東京「三匹のおっさん3〜正義の味方、みたび〜」(金曜後8・00)
(10)8・5%=フジテレビ「突然ですが、明日結婚します」(月曜後9・00)
(11)8・1%=フジテレビ「嫌われる勇気」(木曜後10・00)
(12)7・7%=フジテレビ「大貧乏」(日曜後9・00)
※テレビ朝日「相棒season15」(水曜後9・00)テレビ朝日「科捜研の女」(木曜後8・00)は昨年10月から2クールのため除外