１０代目ピーターパンは１２歳　ホリプロキャラバンＧＰ吉柳咲良

　１９８１年に初演され今年で３７年目を迎えるミュージカル「ピーターパン」の主演に、昨年のホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞した女優の吉柳咲良（１２）が抜てきされた。昨年までの唯月ふうか（２０）を引き継ぎ、１０代目ピーターパンとなる。同グランプリ受賞者の主演は、初代の榊原郁恵（５７）以来。５代目笹本玲奈（３１）の１３歳１カ月に次ぎ、１３歳３カ月で史上２番目に若いピーターパンの誕生となる。 　スカウトキャラバンで、幼稚園のころから習っていたヒップホップダンスと卓越した演技力を見たピーターパンの担当者が「選外でも主演と決めていた」とほれ込み、オファーした。現時点でピーターパンが女優デビュー作となる予定だが、吉柳は「最初は私で大丈夫かなと思ったけど、大きい仕事がもらえてうれしかった」と物おじしない大物ぶりを見せる。

　衣装合わせでは「人生初めて」という短髪にし、わんぱくそうな少年に変身。素顔も男の子顔負けの活発さ。空手師範の伯父の影響で「アクションに興味があって、幼稚園のころからジャッキー・チェンの映画のＤＶＤを自分で借りて見ていた」というほど。ジャッキーの代表作「プロジェクトＡ」（８４年）の時計台落下シーンさながら、家では高いベッドから飛び降り、弟とカンフーごっこ。ピーターパンで一番好きな場面も「フック船長との戦い」と目を輝かせる。

　最高到達点が６メートルに達するフライングが見どころのひとつ。早くも「やりたい気持ちが高まっちゃって仕方ない」と大興奮。地元の遊園地では高さ５メートルまで上昇する命綱付きのトランポリンがお気に入りで「同級生の中で、自分だけ１回転したりしていた」と話すなど、まさに“ピーターパンの申し子”だ。

　８代目を務めた高畑充希（２５）が昨年、ＮＨＫ連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に主演するなど、ピーターパンは人気女優への登竜門。吉柳は「世界的に売れたい」と、今作を機に高く飛び上がる意気込みだ。東京公演は７月２４日〜８月３日、東京国際フォーラム。

　◆吉柳　咲良（きりゅう・さくら）２００４年（平１６）４月２２日、栃木県生まれ。昨年９月のスカウトキャラバンで、応募２万４７９４人の頂点に立った。優勝特典として角川映画の主演も決まっている。新学期から中学生だが「勉強は不安です」。特技はダンスと歌。チャームポイントはネコ目。好きな食べ物はセロリと味噌汁。１メートル４９、血液型Ｂ。