松重豊「バイプレイヤーズ」は財産 再共演も熱望 家事は仕方なく
2017年02月17日 08:00
芸能
今月6日に東京都内のホテルで撮影終了。6人を特集した2002年秋の映画祭「6人の男たちフィルムズ」(東京・下北沢)から14年越しで実現した企画だけに「こういう奇跡のようなことが本当に起こるんだと思いました」と感慨もひとしお。「せっかくの機会を与えていただいたんだから、最大の力を発揮して、いい作品にしなきゃいけない」と臨んだが、フィクションとドキュメンタリーの境目を突く本人役は「何をどういう塩梅(あんばい)でお客さんにお届けしていいのか、さじ加減は正直、最後まで分からないままでした。松重豊役の演技と、実際の僕との駆け引きというか、予想以上に難しかったですね」と振り返った。
それでも、昨年末からの1カ月強の撮影は「正直、僕らの年代になると、ライバル心よりも、お互いがどういうふうに芝居を磨いてきて、どういうやり取りをできるようになったか、ということが楽しくて仕方がない。こんな球が飛んできたら、こっちに投げてやろう。そういうチームプレーが予想以上に楽しい。一緒にゲームを楽しんでいるような、そういう仲間意識が強くなりました。他の仕事に行くと、同年代の仲間がいっぱいいるわけじゃないので(「バイプレイヤーズ」の撮影後)“社会復帰”するのが怖いぐらいです」と苦笑いしながらも、充実感がにじんだ。
「もし機会があるならば、何年か経って、このメンバーで会えたら、またおもしろいことができるかもしれない。今回の時間を共有できたということをバネにして、これから何年かは頑張れるんじゃないかとは思いましたね。僕の中で、すごく大きな経験でした」
今作の続編か?と問うと「それはもうお客さんや仕掛ける方(制作者)に委ねるしかないと思うんですが、ものを作る仲間として、この6人は本当にいいチームだったものですから、機会があれば、どこかのタイミングで『2』(続編)という考え方よりも、何か“次の悪巧み”ができれば、おもしろいとは思います」とした。
思い出深いエピソードについても、チームの一体感が象徴される、昨年末に千葉・館山で行われた6人による最初の撮影の夜を挙げた。
「館山で6人の芝居が始まって、その日の夜、お酒を飲みながら、この作品に対して自分がどう思っているかということを、それぞれが話し始めて。自分が参加するなら、どういう結果を出すべきかということを、みんなが考えていて、それを共有できた館山の最初の夜は非常に貴重だったと思います。それぞれのアイデアは違いますが、チームとして、この作品をおもしろくするにはどうすべきか、という思いは1つ。(本人役で)実名をさらす重みとおもしろみを、みんなが自覚して(クランク)インしていたんだと」
SNS上においては、共同生活で家事力が高い松重の“お母さん的”立ち位置が話題に。「正直、他の5人は家事力がない人が多すぎて。奥さんがいなかったら困るおっさんばかりなので、仕方なく僕がやっている感じなんです」と笑いながら「家事?普段もやります。掃除でも洗濯でも。空いている方がやればいいと思っているので」と私生活の一端を明かした。