中居正広の侍歓戦記 強いジャパン引っ張った筒香 まだ25歳なのに凄い
2017年03月08日 09:00
芸能
4番に入った筒香選手は常々、つなぐ打撃と言っていて、国際大会ではセンターから逆方向の当たりが多かった。プレミア12では右方向へのヒットは1本だけでしたから。でも今回は「強引に引っ張る場面はある。その準備はできています」という話をしていました。今日はまさにそのバッティング。さすがだなと思いながら見ていました。
まだ25歳なのに、しっかりしていますよね。この大会を見て子供たちが野球選手になりたいなと思える大会にしたい、と。だから強い侍ジャパンを見せないといけないと話していました。素晴らしいこと。筒香選手は06年のWBCを見て世界に出たいと思ったみたい。でも、今は逆の立場。自分のことでいっぱいいっぱいだと思うのに、そういうコメントをさらっと言えるのは凄い。
一塁ベンチのすぐ横で試合を見ましたけど、やっぱり独特の雰囲気ですね。特に日本代表が守っているとき、相手の応援がないので静まりかえっている。だから投手は違和感があると思います。四球を出したときは、スタンドのため息も聞こえるんですよ。
初戦先発を務めた石川投手は、ひょうひょうと投げていました。山田選手が「シーズン中と同じように入れる」と言っていて、そんなことあるんだと感心しましたけど、石川投手も同じでした。「変化球はWBC球に100%アジャストできていない」と言っていましたけど、ナイスピッチング。打たれても、三振を取っても、動じることなく投げていました。
今回のチームはいい意味で大黒柱の選手がいないというのが強み。イチロー選手とか(松坂)大輔とか圧倒的な投手、圧倒的な打者がいるわけではないですけど、みんな平均的に力がある。小久保監督は3年半で、プレミア12を通じて育ててきた選手たちなのかなと思います。
僕は小久保監督とは同年代ですけど、選手とのコミュニケーションが取れていますよね。王さん、原さん、(山本)浩二さんは圧倒的な存在だった。選手と距離が近いのはプラスですよね。でもその分、非情な采配ができるのかなと思ったりもしますけど。過去の監督はキャンプに入ったときにメンバーを多めにスタートして、数人が落選した。小久保監督は最初から28人だったので、その時点で優しいですよね。
今日は収穫もたくさんありましたけど、課題も見つかった試合だった。僕は5回が終わったときに“今日は決まったな”と思って見ていたので、やっぱり野球は油断してはいけないんだなと、改めて感じさせてもらった。オーストラリア戦に先発する菅野投手は「なるべく長い回を投げたい」と言っていたので、頑張ってほしいですね。
侍ジャパンの選手たちは、日の丸を背負った人間にしか分からないプレッシャーがあると思う。僕なんかが“ああだ、こうだ”言っても仕方がない。じゃあ僕がどうするかと言ったら応援すること。野球を知らない人に関心を持ってもらうこと。寄り添うことが大事なんじゃないかなと思っています。今大会は世界一奪還、これしかない。全勝で完全優勝してほしいです。 (侍ジャパン公認サポートキャプテン・中居 正広)
◆中居 正広(なかい・まさひろ)1972年(昭47)8月18日、神奈川県藤沢市生まれの44歳。86年、14歳でジャニーズ事務所入り。88年にSMAPのメンバーとなり、91年にデビュー。俳優としての主演ドラマに「味いちもんめ」「砂の器」「ATARU」など。NHK紅白歌合戦の司会を計6回担当。野球好きは父親の影響で、少年野球チームでプレーした。小3時に初めてプロ野球を生観戦。ホームランを打った若松勉を見て「体が小さくてもプロになれる」と勇気づけられた。