松方さん、渡瀬さんにささげるオマージュ上映に拍手喝采!
2017年04月13日 10:00
芸能
出演陣が半端じゃなく凄い。ここから故人も敬称略で書かせてもらうが、主演の松方、渡瀬の他に丹波哲郎、小林旭(78)、梅宮辰夫(79)、成田三樹夫、室田日出男、石橋蓮司(75)、川谷拓三、志賀勝(75)、中原早苗、片桐夕子(65)…とにかく豪華なキャスティングだ。加えて、松方の実弟、目黒祐樹(69)も出演し、兄弟共演を果たしている。
その目黒が上映後にトークショーを行い、満員のファンを喜ばせた。本人曰く「実録もので兄と共演したのは、この1本だけ」だそうで、目黒にとっても忘れられない作品になっている。
「当時、僕は実録ものを避けてました。だってみんな怖いし、逃げていた…」と会場の笑いを誘いながら、「そんな時に中島先生が声をかけてくれたんです。兄の松方からも“やってみたらいい”と背中を押されたのが出演の経緯です」
髪をオールバックにして左目には白いコンタクトを装着するなど、特殊メークで“凄み”を増幅させた目黒は「マシンガンを持ったのは初めて。だけど“実録版オールスター勢ぞろい”みたいな映画で本当に凄い迫力でしたよ。先輩たちの中に入ると僕なんかはまだまだガキでした」と苦笑いを浮かべて振り返った。
実録路線花盛り。「レギュラー出演陣は我が物顔で京都撮影所内のど真ん中を闊歩(かっぽ)し、テレビ時代劇に出ていた僕たちは“失礼します”と言いながら端の方を歩いていた」と70年代半ばの撮影所秘話も披露した。
「中島貞夫監督の最高傑作」と言う人もいる「大阪電撃作戦」。目黒も「兄とは敵同士(の設定)でしたが、怖いながらも現場は楽しかった」と満足そうにうなずく。そして「今作ろうと思っても、あれほどの層はそろわないでしょう」と重ねて強調して、トークショーを締めくくった。確かに俳優たちのギラついた演技に、観ているこちらの血も騒いだ。
特集は21日まで。ニュープリントでよみがえる「沖縄やくざ戦争」(監督中島貞夫、76年)がラストを飾る。(編集委員)
◆佐藤 雅昭(さとう・まさあき)北海道生まれ。1983年スポニチ入社。長く映画を担当。