円歌さん死去にケーシー高峰無念、5月共演予定かなわず「さみしい」
2017年04月25日 05:30
芸能
今年2月には「おなかが痛い」と訴えて都内の病院に入院したが、10日ほどで退院。弟子の三遊亭小歌(76)によると、退院後も体調に不安を感じさせるところはなく「普段と変わらず、ひょうひょうとした感じでバカな話をして周囲を笑わせていました」と語る。
最後の高座は今年1月、東京・上野の鈴本演芸場で行われた初席。来月27日には東京・三越劇場で米寿を祝う公演「医者と坊主の最終章」で高座に上がることを楽しみにしていた。
共演予定で盟友だったケーシー高峰は「朝のニュースで(訃報を)知った。突然のことで驚いた」と落胆した。ここ数年、円歌さんと「医者と坊主」と銘打ったジョイント公演を続けてきた。公演のたびに毒舌のケーシーが「これが最後」と高齢を理由に自虐的に言うのが定番。「冗談で最後、最後と言ってきたけど、本当にできなくなると思うとさみしい」としみじみ語った。
円歌さんが三遊亭歌奴を名乗っていた時から50年以上の付き合い。ケーシーは円歌さんを「師匠」、円歌さんは医事漫談のケーシーを「ドクター」と呼んだ。「師匠は僕のような“色物”も落語家と同じ楽屋に招き入れてくれ、とても可愛がってくれた。人格者で後輩にも優しかった」と人柄をしのんだ。
円歌さんからは「心臓がよくない」と聞いていた。心配すると「おまえに診断されると殺される」と冗談で返された。最後に会ったのは昨年末ごろ。東京・上野の路上でばったり会い、あいさつ程度の会話だったが元気そうだと思っていた。
円歌さんの米寿を祝う公演は、追悼ステージとしての開催に変更となる。主催者側は「ケーシーさんやお弟子さんたちに円歌さんとの思い出を語っていただき、お客さんが笑って過ごしてもらえるような時間にしたい」と話している。
▼結腸がん 約2メートルの大腸は、虫垂、盲腸、結腸、直腸に分かれており、このうち結腸で生じるがんのこと。結腸はさらに上行、横行、下行、S状の4部位があるが、円歌さんがどの部位に患ったかは明かされていない。一般的な発生頻度はS状が約35%で一番高いとされる。症状は便秘や残便感、貧血のほか、血便や下血など。