【ドラマ座談会】「あなそれ」“冬彦さん”超え期待、中毒になりそう「天草に訊け」

2017年04月30日 14:30

芸能

【ドラマ座談会】「あなそれ」“冬彦さん”超え期待、中毒になりそう「天草に訊け」
「春ドラマ」主演の(左から)天海祐希、波瑠、観月ありさ Photo By スポニチ
 春ドラマが出そろった。お気に入りの作品は見つかりましたか?スポニチアネックス記者が初回を見て感想を語り合う「座談会」。今回取り上げるのはこの5作品。
 ――まずは、今クールで記念すべき30周年となった「月9」。豪華メンバーがそろった「貴族探偵」(フジテレビ系)。

 R記者 目まぐるしいカット割りやCG要素など演出に凝っていて、内容云々よりも映像体験としてはなかなか見応えがあったと思う。「アバンチュール」を多用する相葉くんの貴族役には違和感があるけれど、役者陣の厚さはさすが。

 Y記者 豪華なキャスト。フジの月9に懸ける思いが伝わってくる。個人的には中山美穂のメイド役にハマってる。

 K記者 あまりない雰囲気に最初は入り込めなかったけど、途中からジワジワくる面白さがある。仲間由紀恵のぜいたくな使い方には驚いた。

 N記者 「適度にツッコミながら楽しんでください」とのテロップ通り、思わずツッコんだ場面多々。「ポルパ」のくだりでは、「老人と子供のポルカ」の“ズビズバー”、「官憲」では「チキチキマシーン」ケンケンの“シーッシッシ”とか。でもコレ、昭和の人しか分からないか…。

 ――性質の違う恋愛もの2作。W不倫という、ちょっといびつな物語「あなたのことはそれほど」(TBS系)。

 S記者 学生時代に好きな人から言われたひと一言は結構人生を左右するという視点にはうなずいた。収拾がつかないくらいドロドロな展開になる予感も。東出昌大がどこまで壊れるか。“冬彦さん”を超えられるか…。

 Y 真面目な役柄が多かった波瑠の新境地なるか。不倫はまずいよなあと思っても、波瑠が演じていると不貞行為とは思えないのが不思議。東出の怪演もいい。妻を怪しむさらなる「目力」に期待。

 K 主人公がふわふわし過ぎて共感する部分があまりないなと。ときめきもないと分かっている相手と結婚し、久々に再会した学生時代の憧れの人にフラっとしちゃうなんてどうかと。冬彦さんを彷彿とさせる夫があまりに怖く、そっちばかりが気になってしまう。

 N 不倫に溺れる男女と、闇を抱えた感じのその配偶者。見ていて気が滅入りそうになる中で、大政絢が演じる、主人公の親友のまっとうな態度だけが救い。あなただけは正しく生きてほしいと願うばかり。

 ――「フランケンシュタインの恋」(日本テレビ系)は文字通り、怪物が人間の女性と出会い恋に落ちるストーリー。

 K 期待値よりはるかに面白かった。綾野剛演じる怪物の純粋な感じもいい。今後、深志研と名付けられた怪物がどう変わっていくのか気になる。

 Y 物語の設定が微妙かなと思ったけど、いい意味で裏切られた。RADWIMPSのエンディング曲が作品の世界観と合っていて、今期ドラマの主題歌で一番好き。

 R 「妖怪人間ベム」と「シザーハンズ」を上手くミックスさせたようなストーリーに引き込まれた。日本の異類恋愛譚の結末は大抵バッドエンド。しかし、西洋のそれは一方が化け物であることを前提に進み、恋愛そのものの難しさが物語の山場になっている。今作は西洋風に進みそうで、それを日本のドラマでやる時点で相当斬新だと思う。

 N 異類恋愛譚って…。そんな小難しいことより、こちらは綾野剛の上半身シックスパックのサービスカットから目が離せず。ラジオから流れる「天草に〜訊け!」も耳から離れないし。このムキムキボディーとメロディが中毒になりそう。

 ――観月ありさ主演の「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(フジテレビ系)。観月にとって26年連続30作目の連ドラ主演としても話題。

 R 櫻子さんが目をつぶりながら手の骨をパキパキさせて推理するのは、演出としてチープすぎる気も。しかし、ミステリーの謎解き構造はとても良くできていて、見直してみると伏線がしっかり届いていた。この手のドラマにありがちな後付け証拠がなかったと思うので、一緒に推理しながら視聴できるのはミステリー好きとしてはうれしかった。

 Y 原作ファンからすると、年齢設定などに違和感がある人もいるらしいけれど、変わり者キャラを観月が好演していると思う。人気の原作だし今後の展開は期待大。

 N 泥を飲んだり、主人公が人骨を発見してテンションが上がったり、不思議な世界にあ然とすることも。それでも、藤ヶ谷太輔演じる博物館スタッフの心の声がまっとうで、自分の思いを代弁してくれているようで心地よかったりする。

 ――最後は「緊急取調室」(テレビ朝日系)。シリーズものの第2シーズン。初回の視聴率が今クールの民放ドラマのトップになるなど安定の強さ。

 K 物語の中心が取調室という狭い空間の中での話。心理戦だし、ゆっくり落ち着いてみられるし見応えもある。初回ゲストの三田佳子はさすがの演技でした。

 N 三田VS天海の演技バトル。まるで上質な舞台を観劇しているようだった。

 R 警察ものとはいえ、派手なアクションがないので「楽しめるかな…」とあまり期待せず見ていたら想像以上に面白かった。1話ごとにゲストが登場するので、それも楽しみの一つになると思う。脇役も魅力的で、これが人気シリーズとして支持される要因なのだと。

 S もはや貫禄勝ちといった雰囲気。大杉漣に小日向文世、でんでん…。現代のドラマと逆方向へむかうオヤジ度満タンのキャストの存在感は異質。1度、全編アドリブという回を見てみたい程ベテランの演技を堪能したいドラマだ。

 【座談会出席者】S記者=40代男性、ゴマすり団子のことはそれほど。N記者=40代女性、焼肉の霜降りカルビはそれほど。K記者=40代女性、サッカーのことはそれほど。Y記者=30代男性、真夏でも扇風機はそれほど。R記者=20代男性、街コンの満足度はそれほど。
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