「直虎」ムロツヨシ “隙”が生む独特存在感 殿・柴咲を「一役者として支えたい」
2017年05月06日 09:00
芸能
「地元の友人には『ムロは大河に出るとき、ああいう風貌じゃなきゃダメなの?』と言われましたね。『平清盛』(同局大河ドラマ 2012年放送)に出演した時の風貌と似ていたので」と“あばら屋の男”の評判を語るムロ。「役者仲間の鈴木亮平くんには『大河でもムロさんらしい芝居をやるなんて、すごい勇気ですよね』と言われました。ほめているのか、けなしているのか分かりませんよね」と笑う。
唯一無二の存在感で、今やドラマや映画に引っ張りだこの存在。クセの強い演技で見るものを魅了する“喜劇俳優”は、自身の役作りについてこう語る。
「こういう役はこういうふうにやろうと堅く決めずに、“隙”を作って現場に入るようにしています。共演者や演出家の方とのやりとりや、セットや持ち道具から生まれる発想が入れるような隙を作ることを常に意識していますね。もし、それが悪い方向に向かっていたら演出家の方が言ってくれることもありますし、自分でブレーキをかけることもありますけどね」
衝撃の初登場から約3カ月後、第13話「城主はつらいよ」(4月2日放送)で再登場。城主となった直虎との再会するシーンの撮影が強く印象に残っていると語る。
「本当にお芝居をしていて楽しかったですし、直虎が家臣を説得する長いシーンがあったんですけど、それが素晴らしかったんです。カットがかかって殿(柴咲)と目が合ったときに思わず『お見事』と言ってしまいました。殿は『うむ』と言っていましたけどね。あれはお見事でした」と柴咲の演技を絶賛。「方久がここに至るまでを説明するシーンで柴咲さんと向き合ったとき、“やりがいがあるな”と感じたんです。目が合ったときに、役柄としてというよりも一人の役者として柴咲コウさん、殿を支えたいなという気持ちが芽生えました」と振り返る。
井伊家の家臣へと登用され、直虎に力を貸すようになった方久。ムロはその動機について「最初はお金のためだけだと思います」と断言する。「まだ裏切りそうな雰囲気があるんですよね。自分で言うのもおかしいですけど、直虎に付かず離れずの良い距離感を保っているんですよ。その距離感を楽しみながら演じたいと思っています」。金の為なら何でもする“銭の犬”の今後から目が離せない