永瀬正敏涙が止まらない カンヌ総立ち拍手10分
2017年05月25日 05:30
芸能
カメラマン役で、劇中で使用したカメラをスタッフから手渡されると、大事そうにのぞき込んだ後、監督の首にかけた。劇中でカメラを「心臓」と表現しており「心臓ですから。カンヌまで一緒に来てくれた」と笑顔。河瀬監督はカメラを掲げ、ひときわ大きな拍手を浴びて「2階席の後ろの人にも、その鼓動を届けたいと思いました」と話した。
視力を失いゆくカメラマンと、視覚障がい者向けに映画の音声ガイドを作る女性の交流から希望を見いだす物語。河瀬監督は日本人監督最多となる8回目のカンヌ参加で、コンペ出品は5回目。97年に「萌の朱雀」でカメラドール(新人監督賞)、07年に「殯(もがり)の森」で最高賞パルムドールに次ぐグランプリ(審査員特別大賞)と10年ごとに受賞しており、今年はパルムドールへの期待が高まる。パルムドールを受賞すれば、日本作品では97年の「うなぎ」以来20年ぶりとなる。
会場で配布される雑誌「スクリーン」は24日付で、「光」の評論を掲載。「マジックアワー(美しい映像が撮れる時間帯)の光が頻繁に使われ、光の拡散や透き通るような質感が映画を素晴らしいものにしている」などと高く評価している。
配給関係者によると、25カ国での配給が決定しており、カンヌでさらにオファーが殺到。河瀬監督は「この映画は言葉にならないものを人々に届ける力を持っていると思います」と手応え十分。結果は28日夜(同29日未明)に発表される。