月9「貴族探偵」運転手・佐藤との“雑談”が好評!相葉&滝藤あうんの呼吸
2017年05月29日 10:00
芸能
例えば、第3話はボクシングの会話が展開された。最後は新米探偵・高徳愛香(武井咲)がツッコミを入れるのが定番。
貴族「正直にDVを公表した方がマルガリート(※メキシコの元ウエルター級王者)のようにタフなボクサーとして人気が出たんじゃないのかい?」
佐藤「恐れながら御前、タフなボクサーといえばジョージ・シュバロ(※1960〜70年代に活躍したカナダ史上最も有名なボクサーの1人。ヘビー級。モハメド・アリとの死闘で有名)の名を挙げるのが最善かと」
貴族「相変わらず、おまえはクラシカルなインファイターが好みだな」
佐藤「1966年のアリとの一戦は何度見ても胸にこみ上げるものがあります」
貴族「72年の第2戦の方が僅差ではなかったか?」
愛香「いい加減にしてください!」
脚本の黒岩勉氏(43)が第2話で、事件現場にもかかわらず貴族探偵と佐藤が猟犬に関する高尚な雑談を繰り広げるシーンを盛り込んだことがきっかけ。羽鳥プロデューサーは「これはおもしろいということになり、振り返って第1話もフライフィッシングの会話を付け足し、第3話以降も継続して2人の優雅な雑談を入れることにした次第です。貴族と佐藤のキャラクターが厚みを増すだけでなく、普段の優雅な会話が垣間見られるようで、脚本を構築する際の楽しみの1つになっています。収録の際もどんなやり取りになるのか、監督がどんな演出をするのか毎回楽しみでなりません」と“雑談”誕生の経緯を説明した。
メイン演出を手掛ける中江功監督(53)は、どのようにディレクションしているのか。羽鳥氏によると「貴族はこの話、つまり趣味の話を佐藤とすることができて、とてもうれしい、楽しいという気持ちで、テンポ良くスピーディーに会話をする。そして佐藤も、主である貴族がうれしいので、同じようにうれしいという気持ちを共有して会話をする。にもかかわらず、いつも途中で制止されて、心底残念である、という気持ちの中、会話が終わるようにしている」という。
3月中旬、相葉がクランクインした日に、ちょうど第1話のフライフィッシングの会話を撮影した。羽鳥氏は「どうなるか、と少し不安だったのですが、いざお芝居になると、長年にわたって主従関係を築いてきたかのよう。貴族と佐藤はこの2人でなければならなかった、とあらためて手応えを感じたのを思い出します」と振り返り「それから撮影を重ねるうちに、今は“あうん”の呼吸です」と明かした。
貴族探偵と運転手の“信頼関係”は、そのまま収録現場の相葉と滝藤にダブるようだ。だからこそ、絶妙なコンビネーションが生まれる。
「滝藤さんが以前、インタビューで『このドラマで、僕は2番バッターに徹したい』というようなことを仰っていたのですが、その変幻自在の演技力と真摯な人柄に、相葉さんも多くの影響を受けているのだと思います。第2話の撮影で、長いセリフのお芝居が終わった後、笑顔で滝藤さんが相葉さんの肩を叩かれていて、そんなお2人の姿が印象に残っています。佐藤が受け止めてくれるから、貴族は存分に話せるわけで、そういうふうに滝藤さんが相葉さん演じる貴族探偵を立てようとお芝居をされている。その一方で、相葉さんは滝藤さんの存在があるからこそ、ということをちゃんと分かってお芝居をされている。そんな素敵な関係性を築けているのは、周囲に常に謙虚であり、俳優として大先輩である滝藤さんへ尊敬の念をいつも忘れない相葉さんだからこそ、というふうに感じます」(羽鳥氏)
ただ、最終回へ向けて台本作りが進む中、“雑談”のくだりは第7話が見納めの可能性も。「物語の流れ上、もしかしたら第7話が最後の、貴族と佐藤の趣味の会話になるかもしれません。そういった意味でも是非、見逃さないでいただけると、とてもうれしいです」と呼び掛けている。