藤井四段 A級・豊島八段との対局は千日手 昼食後に指し直し
2017年08月24日 12:17
芸能
相手の豊島は同じ愛知県出身で、将棋界の最高峰であるA級に所属する棋士の一人。藤井が公式戦でA級棋士と対局するのは今回が初めて。プロデビュー以来の連勝街道を走っていた5月7日、非公式戦だが愛知県岡崎市で行われた将棋イベントの公開対局で対局した時は豊島が勝利を収めている。
2日前の朝日杯オープン戦1次予選の対局終了後、「A級の先生と実践で教わることができるのはとても楽しみです。いい将棋にできるように全力でいきたい」とこの日の対局を楽しみにしていたことを明かした藤井。対局開始前もそんな思いが態度に表れていた。
午前9時41分、対局室に先に入り、その30秒後に豊島が入室。その後、藤井はお茶を何度もすすり、早くも盤上を見つめながら手にした扇子を何度も持ち替えたり、肘掛けの位置まで直したり、壁の掛け時計に何度も視線を送るなどそわそわしている感じで、いつもより緊張しているように映った。一方の豊島は時折、記録係の方に目をやるぐらいで、ほとんど動きなく、静かに時間を待った。
午前10時、対局開始時間がきたことを記録係から伝えられると、藤井は完全にルーティーンになっている最初の一手を指す前のお茶一口を終えてから、静かに[先]2六歩。豊島は[後]8四歩で応じた。戦型は角換わり腰掛け銀。午前11時53分、59手目で千日手が成立したため、昼食を挟み午後0時40分から先手後手を入れ替えて指し直しとなる。藤井の千日手は6月2日、棋王戦予選第6組決勝、澤田真吾六段(25)との対局以来で2回目。その時は藤井が勝ち、デビューからの公式戦連勝記録を20に更新している。
昼食はともに近所の店からの出前で、藤井が居酒屋「内山田」の和牛ステーキ定食(1200円)、豊島が「やまがそば」の「カレーうどん定食」(830円)だった。
持ち時間は各4時間。勝敗は夕方以降に決着する見込み。勝者は次戦で森内俊之九段(46)と対戦する。