CD不況もなんの!老舗中の老舗・テイチクの奮闘がアツい
2017年09月02日 10:00
芸能
![CD不況もなんの!老舗中の老舗・テイチクの奮闘がアツい](/entertainment/news/2017/09/02/jpeg/20170902s00041000146000p_view.jpg)
創業1934年(昭9)の老舗中の老舗。藤山一郎、三波春夫、石原裕次郎ら何人ものスターを輩出。現在も石川さゆり、天童よしみら演歌界の大御所をはじめ、スターダスト・レビューやBEGINなどJ―POPアーティストも所属する。しかし、根深いCD不況はそんな名門にも例外なくやってくる。主戦場が演歌であることもあり、売り上げは頭打ちとなっていく。
とりわけ打撃になったのは14年。「関ジャニ∞」が事務所の設立した自主レーベルに移籍、独立したことだ。もともと、かつて社長を務めた著名な音楽プロデューサー・飯田久彦氏と事務所の縁からテイチク入りした経緯もあり、すでに社長が交代していたタイミングで、所属事務所が立ち上げた新事業へ合流する形での独立は自然な流れと言える。とはいえ、関ジャニは当時テイチクの屋台骨を支える稼ぎ頭。「合算すると売り上げ全体の4割ほどは彼らだった」と関係者が明かすように、一時は深刻な売り上げ減に見舞われた。
それでも、テイチクの社員はいつも前向きに頑張っていた。現場でも明るく、愚痴も言わず。ひたすら歌手のために頑張った。「どれだけ売れなくても、僕らはうちにいる歌い手の歌が素晴らしいと信じている。そのためにできることをやるだけですよ」。いつか、ある社員が話してくれた言葉が印象に残る。
「祭nine.」のデビュー日には、面白い巡り合わせがあった。同じ日に東京ドームで、関ジャニがコンサートを行っていたのだ。もちろん「祭nine.」は駆け出しで、集客力も比較にならない。それでも後ろ向きな気持ちはなく、いつでも所属歌手をパートナーとして全力で支える“テイチク魂”を見ていると、いつか東京ドーム…なんて未来もまぶたに浮かぶ。今後も老舗の奮闘から目が離せない。(記者コラム)