方向転換を図った「27時間テレビ」得たもの、失ったもの
2017年09月20日 17:10
芸能
「今年の27時間は面白い!マンネリで見なくなってしまっていたから新鮮」(42歳女性)、、「いつもの27時間とは違い勉強になってよかった」(34歳女性)など、少々堅苦しくなりがちな歴史というテーマをショーアップして伝える手法はおおむね受け入れられたようだ。昨年までは「内輪ノリで悪ふざけ」(38歳男性)、「テレビ局と出演者だけ楽しんでいる」(56歳男性)など、視聴者との温度差が生じている、否定的な回答も多くみられたが、そのような意見は少なく、代わって目立ったのが「勉強嫌いの息子が珍しくハマって見ていた。歴史の話がドラマ仕立てだったので分かりやすかったみたい」(43歳女性)、「面白く歴史を伝えることによって子どもでもわかりやすかった」(48歳女性)など、“子供も楽しめた”という感想。マンネリに感じていた視聴者からは好感を得て、これまで取り込めなかった層も獲得できたといっていいだろう。番組満足度は平均3・26(5段階評価)と高満足度の基準3・7には及ばなかったが、データが残る12年以降で2位を記録した。
失ったものもある。生放送だからこその面白さだ。12年以降で満足度最高のSMAPが総合司会を務めた回14年の放送では3・56で、今回との差は大きい。当時の感想を振り返ると「生放送でこの面白さは素晴らしい」(47歳男性)、「疲れていたはずなのに、頑張っていた姿に感動」(26歳男性)など、生放送ならではの面白さと感動があった。今回も「生放送特有のハプニングがなくて面白さに欠けた」(32歳女性)、「免許皆伝(番組の1コーナー)は、生放送にしたほうが盛り上がったんじゃないか」(44歳女性)という意見もあり、これまでの「27時間」の面白さを体感したいという視聴者や、部分的にでも生でやった方が良いという、“生放送”派の要望も今後どう対応していくかが課題として残った。
いずれにせよ失ったものより、得たものの方が多かったことは確か。方向転換は成功だったといっていいだろう。次があるとするならば、この成功体験をどう生かし、逆にどう壊して次へ進むのか。来年を待ちたい。