安室奈美恵、来年9月16日で引退 ポリシー貫き「40歳で」
2017年09月21日 05:30
芸能
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「わたくし安室奈美恵は、2018年9月16日をもって引退することを決意いたしました」。NHKが速報したほどで、衝撃が一気に広がった。
これが美学だった。1992年のデビュー以来、15年まで所属したライジングプロ・ホールディングスの平哲夫社長(71)には「40歳で引退する」と話していた。一部にしか伝えていなかった、その秘めたる意志を貫いた。
レコード契約を結ぶエイベックスの一部にもその意志は伝わっていたが、同社社長に直接告げたのは発表の約1時間前だった。
コンサートでは曲間にトークを入れず、休まずに2時間以上、歌い踊り続ける独自のスタイルを確立。アイドル性を消し、ストイックなアーティスト路線に転換し30代に入って再ブレークした。しかし、このスタイルでは年齢的にいつか限界が来ると考え、区切りを「40歳」と定めた。
16、17日の沖縄公演では衰えをみじんも感じさせなかったが、関係者は「一度決めたらテコでも動かないタイプ」といい、周囲からスタイルの再転換を勧められても、その意志が揺らぐことはなかった。デビュー日の来年9月16日をXデーに決め、40歳の誕生日にこれを公にした。
25年間の集大成を見せた上で幕を下ろす。エイベックスによると、デビューから現在までの歌を選んだベスト盤(タイトル未定)を11月8日に発売し、新曲も収録する。史上最高のパフォーマンスを披露する舞台としてアジア各国を回るツアーも開催予定で、日程調整に入る。
名実ともにトップに上りつめた。10〜30代の3世代でミリオンセールスを達成しているのは男女を通じて安室だけ。96年にはファッションをまねた女性を指す「アムラー」が流行語になった。20代の人気低迷を経て再ブレークした要因に、苦境に負けず、自分を信じて立ち向かっていく強さがあった。
長男が誕生した翌99年、実母が殺害される事件が起きたが、悲しみの中、12日後に音楽番組に生出演し、プロ意識の高さを見せた。育ての親である平社長が01年、プロデューサーの小室哲哉(58)が08年に逮捕されるという“逆風”を受けても、自分を見失うことなく乗り越えてきた。
女性ソロシーンのブームが去っても、ひとりで歌い踊り続け、音楽界に与えた影響は計り知れない。その孤独な戦いの支えとなってきた愛息が来年5月に成人するタイミングでもあり、一人の女性として今後の人生を考えた上での決断でもある。華のあるうちに身を引く決断を下した歌姫は、引退までの1年間、力の限り歌い踊る。
◆安室 奈美恵(あむろ・なみえ)本名同じ。1977年(昭52)9月20日、沖縄県生まれの40歳。那覇市内のダンススクールで発掘され「スーパーモンキーズ」を結成、92年に「ミスターU.S.A.」でデビュー。ソロ活動を本格化した95年に小室哲哉をプロデューサーに迎え、96年「Don’t wanna cry」で史上最年少で日本レコード大賞、翌97年も「CAN YOU CELEBRATE?」で連続受賞。その人気は「アムラー」の流行語で社会現象に。今年デビュー25周年を迎えた。NHK紅白歌合戦に95〜03年の9度出場。