「直虎」高嶋政宏 “スポーツマン忠勝”支える徹底した自己管理「集中力は体力」
2017年10月22日 10:00
芸能
「四天王」の一人で井伊直虎(柴咲コウ)が後見する直政(菅田将暉)とは「体育会のいい先輩後輩」のような関係。直政へ辛く当たる武将もいる中「忠勝だけは『頑張ってろよ、誰か見てるんだから』という感じ」だと明かし「なんか面白いですよね。本当に楽しくやっています」と充実感をにじませる。直政を演じる菅田については「以前はすごく細かった印象も、ガタイがすごい良くなって男っぽくなった」と体型の変化に驚き。「相当鍛えなきゃいけないと思って、体つくったんでしょうね」。役を離れても、後輩の隠れた努力を認めている。
自身も体づくりには余念がない。「今日も自転車で(NHKに)来ましたよ。車はほとんど乗らないようにして。現場まで自転車」と“チャリ通”に加え、週2回のジム通いや、時には道場にも。「じっとしていたり、ずっと車に乗りっぱなしだと、凝り固まるし、間違いなく体は衰えていく。身体が資本なので」。
高い意識の背景にあるのは「より良いカットを撮るため、撮ってもらうため」との思い。例えば合戦のシーンでは、何パターンものカットが必要となるため、必然的に撮影は長くなりスタミナ勝負に。「どのカットでも、今できる最高のパフォーマンスを実現する、その体力ですよね。集中力は体力だと思っている」。ケガを招きかねない過度なトレーニングは避け「自転車とか負荷の軽いウェイト」をコツコツ。「家で台本を何度も練習する以外に、そういったトレーニングをやっていくことこそが、いい作品作りにつながる」と信じている。「一番いい顔をと、監督が何度も撮ってくれているのに、どっかで息切れとかしちゃったら、あとで後悔する」と笑う高嶋はアスリートさながらだ。
自他共に認める「甲冑好き」でもある。「鎧(よろい)を付けるとき、紐で締め上げていく“緊縛感”っていうか“圧迫感”(笑い)。究極のコスプレですよね。男が最もかっこよく見えるコスチューム」。制作統括の岡本幸江チーフ・プロデューサーも「高嶋さんは甲冑でも、ご自身で着ることができてしまう」と熟達っぷりに舌を巻く。
鎖帷子(くさりかたびら)なども含めると20キロ近くにもなる甲冑は岡本氏いわく「あまりの重さに30分もすると皆さん無口になる」。しかし、高嶋は炎天下での過酷な野外ロケでも「(暑さで)ジンジンしてくるんですけど、鎧を脱がない。絶対に脱がない」と目を輝かせる。さすがに野外ロケで合戦シーンを初めて通しで演じた際は「目の前が真っ暗になるかと思いました。重みと暑さで、もうゼエゼエ」というが、それでも甲冑への愛と持ち前のスタミナで乗り切った。「心臓のバクバク感ですら“今、俺は鎧兜を着ている!”という喜び」。変化の途中にありながらも、若さならではの勢いと躍動感にあふれた新しい忠勝像が着実に形作られている。
※高嶋政宏の「高」ははしごだかが正式表記。