「風雲児たち」演出・吉川邦夫氏 テーマは“知の冒険”「真田丸」勢の新しい魅力を
2017年11月09日 08:00
芸能
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西洋医学書「ターヘル・アナトミア」の日本初の和訳に一心同体で取り組んだ良沢(愛之助)と玄白(新納)の2人。鎖国ど真ん中の江戸中期に革命的な翻訳を成し遂げた。しかし、刊行された「解体新書」に良沢の名前はなく、名声は玄白だけのものとなった。2人の間に一体、何が起きたのか…。笑いとサスペンスに満ちた新しい三谷流歴史ドラマが生まれる。
愛之助、新納のほか、山本耕史(40)が平賀源内、草刈正雄(65)が田沼意次を演じるなど、「真田丸」メンバー23人(現在発表分)が再集結して話題沸騰。吉川氏は「真田丸」プロデューサー5人体制のうちの1人として三谷氏と脚本作りに携わった。もともとはディレクターで「真田丸」第4話「挑戦」の演出も担当している。
今回のキャスティングについて、吉川氏は「時代劇というジャンルで素晴らしい個性を発揮してくださることを、昨年、目の当たりにさせていただいた方ばかり。その皆さんの新しい魅力を視聴者の皆さんにお伝えするドラマにしたいと思っています。原作のみなもと太郎さんも、脚本の三谷幸喜さんも大勢の人物を見事に個性的に描き分ける作家ですから、出番の多少にかかわらず、どの役も印象的な存在になっています」と起用理由を説明。
「大河ドラマ『真田丸』は時代考証を基礎においた三谷さんのオリジナル作品でしたが、今回はみなもとさんの歴史ギャグマンガを原作として三谷さんが脚本を書かれるので、歴史の大きな枠組みは大切にしつつも、時代劇表現としては、大河ドラマではできない試みにチャレンジしようと考えています。『知の冒険』をテーマにした『痛快娯楽時代劇』を目指します」と“新しい試み”に挑む。
「『解体新書』の翻訳の話というと、地味で堅い話のように思われてしまうかもしれませんが、未知の領域に挑戦する人間たちは、それがどんなエリアであっても、スリリングで魅力的です。杉田玄白が『解体新書』出版の立役者であることは間違いありませんが、実はオランダ語が決して得意ではなく、前野良沢の語学の才能と勤勉さこそが『解体新書』の翻訳を成立させていたこと。それにも関わらず、良沢の名前が『解体新書』になぜか載っていないこと。そこに何があったのか。志を共にして出発した良沢と玄白がお互いの何を大事にし、また反発しあったのか。ドラマでは、そこを掘り下げます」
演出プランについては「良沢たちの『知の冒険』をいかに楽しく分かりやすく可視化するか。撮影に向けて、各部スタッフそれぞれが自分の専門領域から大胆でおもしろいアイデアを出し合って準備を進めているところです」と明かし「キャスト・スタッフの知恵の結集によって、時代劇の魅力にあふれ、かつちょっと枠からはみ出した正月時代劇に仕上げていきます。どうぞ、お楽しみに!」と呼び掛けている。