【夢中論】西野カナの地球の歩き方 旅のトリセツせっせと自作
2017年11月14日 11:00
芸能
「どう?良くない?楽しそうでしょ」
同行する友人にしおりを渡し、チェックしてもらう。OKが出ると、航空券やホテルを代理店を介さずに自分で直接手配した。
「普段は面倒くさがりで大ざっぱなのに、旅行となると計画的になっちゃう。仕事の時より真面目かも。いかに効率的に無駄なく、欲張りになれるか。せっかくの休みやし、旅はボリューム満点にしたい」
年に1回、必ず海外旅行をする。最近のテーマは「ビーチ、街並み、世界遺産」。この3つを同時に満喫できる旅先を探すと、もっぱら中南米になる。メキシコ、ペルー、キューバ、ジャマイカに続き、今年初めに訪れたドミニカ共和国が5カ国目。一番の目的はカーニバル「ラ・ベガ」を見ることで「ちょうど休みが取れたのが開催時期だった。ずっと見たかったので」。
旅の目的はリフレッシュと冒険。時間を忘れ、真っ白な穏やかな砂浜で波の音を聞く。
「ビーチパラソルの下でボーッとして、普段のせわしない時間をスローにする。あと、東京と全然違う生活スタイルがあるところを冒険してのぞき見る。言葉は通じないけどノリでなんとかなる」
自宅には、観光名所や大自然を紹介する「死ぬまでに行きたい絶景100選」といった旅行本がずらりと並んでいる。行きたいと思ったページに付箋を貼り、インターネットで調べまくって興味を膨らませている。
「自然の絶景が大好き。カリブの国は街並みも音楽も好きなので、全ての国に行ってみたい」。旅人・西野は、本当に欲張りだ。
初の海外旅行はデビューして間もない19歳の時。旅行好きの大学の友人とシンガポールに行って以降、定例化し、これまで20カ国以上を訪れている。
「一緒に行ってる友達は興味さえ持ってくれれば私が行きたいところ全てについて来てくれる。だから旅行の前に興味を引くようにしてるんです」
当初は言葉で説明していたが、いつしか、旅のしおりを作るようになった。自分好みのプランを受け入れてもらうため、活字で説得力を増そうという作戦だった。
旅行によって生まれた曲もある。昨年7月に発表した「Life Is Good」。ペルーでマチュピチュなどの壮大な景色に刺激されて歌詞が浮かんだ。♪一回しかない人生なら あれもこれも欲張りになって…と、旅の信条を人生に例えた。
「海外旅行に行くとアクティブになって世界観が広がる。例えばカリブの国なら、街の中で流れてるレゲエに体全体で浸ることができて、曲のアレンジに生かせる。仕事にいい影響を与えてくれる」
本業では8、9月に自身初のドーム公演を行い、数万人を眼前にする壮大な光景を味わった。歌手として勝負のステージだったが「やることはいつもと一緒」と気張らず、欲張らない。歌手・西野は自然体がポリシーだ。
「ドームって凄い大きなとこやし、特別な場所で緊張したけど、ライブが始まったら(ファンの)みんなといつもと変わらない距離感で歌えた。やることはいつもと変わらないし、やりたいこともいつもと変わらない」
来年2月にはデビュー10周年イヤーに突入する。どんな一年にしたいのか――。
「ライブをいっぱいやりたい。それと…。ちょっとでもどこか外国に行きたいなあ」
人を夢中にさせる歌姫は、旅に夢中だ。メモリアルイヤーの来年は歌手人生で最も忙しくなる一年。しおり作りから始まる生きがいの海外旅行へ、まずは国内を飛び回る。
≪アルバム「LOVE it」15日発売≫15日にアルバム「LOVE it」を発売する。タイトルは「いいね」や「大好き」という意味で「日常にあふれる“いいね”がたくさん詰まっている。“スマホ”っていう曲も収録していて今っぽい作品になりました」と、手応え十分な一作だ。収録した15曲はいずれも自身で作詞。デート前のワクワクを描いた「Happy Time」や、女子会をテーマにした「Best Friends Forever」など、日常を切り取ったような歌詞が共感を得そうだ。
◆西野 カナ(にしの・かな)1989年(平元)3月18日、三重県生まれの28歳。大学生だった08年2月、シングル「I」でメジャーデビュー。ほとんどの歌を作詞し「トリセツ」「Darling」などが大ヒット。10年にNHK紅白歌合戦に初出場。昨年に「あなたの好きなところ」でレコード大賞を受賞。ファッションリーダーとしての一面も。愛称はカナやん。