「小林賢太郎テレビ9」大森南朋との絆、壇蜜の声絶賛、鈴井貴之お題コントは衝撃結末
2017年12月10日 11:00
芸能
ドラマ部分は架空の港町・米ヶ崎(べいがさき)を舞台に、探偵(大森)が女性バーテンダー(壇蜜)や鍵屋(小林)と出会いながら、ある事件の謎を追うというストーリー。俳優をゲストに招いた第5弾(13年)の「マルポ便」(大泉洋)、第6弾(14年)の「なぞなぞ庭師」(松重豊)、第7弾(15年)の「連続テレビ文庫 エンヤートット」(上野樹里)はロケに出ることが多かったが、今回は特殊な世界観のため、ほぼセットで撮影した。
大森について、小澤ディレクターは「ずっと出演していただきたかったのですが、大森さんにピッタリ合う脚本が書けた時にしようと、小林さんと話をしていました。大森さんは人間味あふれるところが魅力の1つ。大森さんの人間味が物語を包むようなドラマになりました」と説明。10月に行われた撮影は、TBS「コウノドリ」(金曜後10・00)の合間を縫うタイトなスケジュールだったが、盟友のために一肌脱いだ。「朝8時から撮影開始。終わったのは24時すぎ。大森さんは、翌日も別のドラマの撮影が入っていたにもかかわらず『賢太郎のためなら、いくらでもやるよ』って言ってくれ、緊張感を途切れさせることなく撮影に臨んでくれました。すごくうれしかったですね。また舞台共演で生まれる絆とは、こういうことなのか、とも感じました」
壇蜜は昨年、第8弾の収録時、隣のスタジオでコント番組「七人のコント侍」を撮影。壇蜜と共演のお笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービー(33)が共に小林のファンで、バービーが壇蜜を連れ出して小林のところにあいさつに訪れたのが、今回のキャスティングのきっかけ。小澤氏は「小林さんが『大森さんと壇蜜さんなら、1つ、シノプシスがある』と。ゲストが2人いて、しかも1人が女性というのは、なかなかないパターンで、いいと思いました。壇蜜さんはミステリアスさを生かし、小林さんは無色透明の不思議な感じ。大森さんと3人のカラーがいい配合になりました。現場でも3人は空き時間に仲良くおしゃべりをしていて、小林さんは『壇蜜さんは声がいいね』と褒めていました」と明かした。
鈴井は舞台の脚本・演出を務め、自らも出演し、映画監督の顔を持つ。小澤氏によると、小林にとっての鈴井は「自分の先を走っている人」という。「脚本家、演出家、俳優、映画監督という活動が小林さんに通じること。また、鈴井さんが東京じゃなく北海道を拠点に活動されているところも、テレビから距離を置いて舞台を拠点に活動する小林さんと、立ち位置が似ているんじゃないでしょうか。多くの人がステータスを感じる場所だから、そこで作品を発表するのではなく、自分の作品を第一に考え、それが一番輝く場所を自分の活動拠点にしている」
小澤氏は、ずっと鈴井にいつか「お題コント」の出題者になってもらいたいと考えていたという。「9年前、第1作を放送した時、小林さん経由で『鈴井さんから“賢太郎くん、ガチでお題を渡されているのに、ガチに見えないよ”』というダメ出しをもらいまして、個人的にもそこがうまく演出できていないと分かっていたので、痛いところを突かれた、とヘコんだ記憶があるんです。その時からずっと鈴井さんには、いつかお題を出してもらおうと考えていたんです。『水曜どうでしょう』の企画者でもあるミスターこと鈴井貴之が小林さんに『お題コント』のお題を出すとしたら、何を出すんだろうって」
前回のお題は「お化け屋敷」。今回、鈴井はどんな無理難題を小林にふっかけるのか。「小林賢太郎という人間の裏の部分が見えるという、まさに今回のサブタイトルになったテーマ『裏と表』に引っ掛かる展開になったと思います。お題コントは、コントを通して見る『小林賢太郎ドキュメンタリー』だと思っていて、今回、彼は『鈴井さんからお題を頂くなら』と自分をかなり深く掘り下げて作品を作っています。その結果、過去8作にない衝撃的な結末を迎えるのですが…。これが小林賢太郎だ!とは言いませんが、彼が自分の内側に抱えるものが1つ垣間見えるのでは、と思っています。9作目にして、このコーナーでやりたかったことが達成できました。あとガチでお題を渡されていることも、今回はうまく伝えられたのではないでしょうか」と笑いながら、手応えを感じていた。