NHK交響楽団の名誉音楽監督がセクハラ 世界的な指揮者への告発が続出
2017年12月22日 12:58
芸能
グラミー賞を2回受賞しているシルビア・マクネアさん(61歳)は1985年のリハーサルで起こった“事件”に言及。「エレベーターの中で壁に押しつけられ、彼は私の両脚の間に膝を食い込ませてきました。なんとか払いのけようとしたときにエレベーターのドアが開き、“やめて”と叫んだのを記憶しています。そしてそこから駆け足で逃げました」と32年前の出来事を明らかにした。
ポーラ・ラスムッセンさんは1991年9月、「彼は私の手を握って自分のパンツの中に押し込み、私の口に自分の舌を入れてきました」と、デュトワ氏の控え室で被害にあった。それが繰り返し起こったために以後、ラスムッセンさんは1人にならないように注意を払っていたと言う。
バリトン歌手のジョン・アトキンス氏はそのラスムッセンさんをガード。そばに立っているとデュトワ氏から「なぜおまえがそこにいるんだ?」と言われて冷たい視線を浴びたと証言している。
匿名の2人のソプラノ歌手はともに2006年に被害にあった。そのうちの1人によれば、最初はランチに招待されたが、すぐに場所はデュトワ氏が宿泊していたホテルの部屋に変更。その室内で抱きつかれ、キスをされたために逃げ出したとしている。
もう1人は同氏の控え室でミーティングだと言われて中に入ったものの、他のメンバーがいなくなったとたん、胸をつかまれたと言う。さらに車の中や舞台裏でもその行為は続いたと語っている。そして「彼は音楽家としては何も否はありません。しかしステージ以外では猛獣のように何をしても許されていました」とその蛮行ぶりを非難した。
米映画界のセクハラ騒動を機に、欧米では各界の著名人によるセクハラ行為の告発が続出。クラシック界でも今月、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場が名誉音楽監督のジェームズ・レバイン氏(74歳)を停職処分にしており、これが今回のデュトワ氏の告発につながったようだ。デュトワ氏は英ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、各国のオーケストラとも演奏活動を行っていることから、その影響はさらに拡大することが予想されている。