今年のテレビ界で最大の衝撃だったフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」「めちゃ×2イケてるッ!」の終了決定。長年お茶の間に親しまれた2番組の同時終了は、視聴者にひとつの時代の終わりを感じさせた。低迷脱却へ改革を急ぐフジテレビ。来春に向け、ニュース番組にも大ナタを振るうことを検討していることが分かった。
同局の主なニュース番組は昼の「FNNスピーク」、夕方の「みんなのニュース」、深夜の「THE NEWS α」。今秋に「THE NEWS α」がスタートしたほか、キャスターの一部を変更するなどテコ入れを図ったが、「思うような結果は出ていない」(同局関係者)という状況だ。そんな中、浮上しているのがニュース番組の“一本化”案。タイトルやイメージカラー、スタジオのセットなどを同じ方向性にそろえることで、フジテレビのニュース番組として統一したブランドイメージを視聴者にアピール。そして「初期費用こそ必要になるが、同じスタジオセットを使うことでコスト削減につなげる」(関係者)という“一石二鳥”を狙うプランだ。
タイムテーブルの聖域なき見直しとコストの大幅削減を進めるフジテレビ。「めちゃイケ」「みなおか」の後番組についても、業界関係者からは2番組のテイストを受け継ぐ王道バラエティーを望む声が上がるが、「費用をかけて作り込むような番組は難しい」(同局関係者)というのが実情。ドラマも、レギュラー出演者の人数やロケの回数を減らすなどして制作費カットに取り組んでいる。
2004〜10年に7年連続「3冠王」だった同局は、昨年に続き今年も年間視聴率で民放4位と数字も上向いていない。かつての民放の雄の復活はなるか。来春の改編は大きな勝負どころとなる。