羽生永世7冠 国民栄誉賞正式決定 謙虚に進む“王さんの道”
2018年01月06日 05:30
芸能
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夢のような瞬間だった。「国民栄誉賞について、一番最初にイメージするのは…やはり野球の王選手ですか」と“世界のホームラン王”の名前を挙げた。時は1977年9月3日。巨人のユニホームに身を包んだ背番号1が通算756号本塁打となる当時の世界新記録をマークした年。国民栄誉賞第1号として、いまだに人々の心に刻まれている大偉業だ。
当時7歳の羽生は同級生から将棋を教わったばかりの超初心者にすぎなかった。「(本塁打記録が)非常に騒がれていた時期でしたね」。自身は翌78年から八王子将棋クラブに通いだし、やがて無敵の少年として名をはせる存在になる。新たな伝説を築き上げる原点が、あのカクテル光線に照らされたアーチと時期的に重なっていたとは。「まさか自分がそういう賞を頂けることになるとは夢にも思わなかった」と、不思議な縁に思いを投げかけた。
藤井聡太四段(15)を筆頭に若手の台頭に沸く将棋界。羽生は15歳でプロデビュー。通算1391勝を挙げ、歴代1位の故大山康晴十五世名人の1433勝に迫っているが、ここ2年で3つのタイトルを20代棋士に奪われた。だが「ただ経験を積めばいい、ただ若さがあればいいということではなく、総合力が問われる競技。自分自身も棋士としてファンの皆さんに伝えていきたい」と、戦う姿勢を改めて強調した。
◆羽生 善治(はぶ・よしはる)1970年(昭45)9月27日、埼玉県所沢市生まれの47歳。82年6級で故二上達也九段門下となり、85年四段昇格。89年に竜王戦で初タイトル獲得。96年に史上初の全7冠制覇。昨年12月5日には竜王を奪取し、初の「永世7冠」を達成。獲得タイトルは竜王7、名人9、王位18、王座24、棋王13、王将12、棋聖16の計99期。ほかNHK杯戦など棋戦優勝は44回。