浜木綿子 とん平さん悲報にショック「舞台の夫を失った思い」

2018年02月26日 05:30

芸能

浜木綿子 とん平さん悲報にショック「舞台の夫を失った思い」
2000年、舞台「売らいでか!」で夫婦役を演じた左とん平さんと浜木綿子 Photo By 提供写真
 1970年代のドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」や映画「楢山節考」など、名バイプレーヤーとして活躍した俳優の左とん平(ひだり・とんぺい、本名肥田木通弘=ひだき・みちひろ)さんが24日午後3時57分、心不全のため都内の病院で死去した。80歳。東京都出身。葬儀は近親者で営み、後日お別れの会を行う。舞台やドラマで多く共演した女優の浜木綿子(82)をはじめ芸能界の仲間たちがしのんだ。
 復帰を目指した左さんだが、奇跡は起こらなかった。昨年6月に急性心筋梗塞で倒れて緊急手術。事務所関係者によると、一時は快方に向かったが、その後に誤嚥(ごえん)性肺炎を起こして酸素吸入器をつけながら闘病を続けていた。

 都内の自宅前で対応した所属事務所の関係者によると、倒れてからは会話も難しく、アイコンタクトで意思疎通を図っていた。食事が取れずチューブをつけていたという。最期は仁美夫人(81)や長男らがみとった。夫人は「最後も穏やかな顔だった。優しい人で、怒ったところを見たことがなかった」と話しているという。

 家族の意向で、左さんの遺体は24日午後6時半ごろ無言の帰宅。約半年ぶりに自室に戻った左さんには紺色の「楽屋のれん」がかけられ、そばに愛用のサングラスが置かれた。一晩、家族や関係者らと過ごし、25日午前に車で安置所へ向かった。

 大杉漣さんに続いての名脇役の悲報は芸能界を悲しみに包んだ。舞台「喜劇 売らいでか!」やドラマ「監察医 室生亜季子」で共演してきた女優の浜は「寂しくて。つらいです」と東宝を通じてコメントを寄せた。

 「売らいでか!」は68年の初演「亭主売ります」からの付き合い。このとき義理の弟役を演じた左さんは94年からは“売り払われる夫・杉雄”役を550回以上も演じてきた。昨年7、8月の公演にも出演予定だった。

 浜は「ICUからCCU(心臓・血管系に特化した集中治療室)に移って、奥さまからやっと許しが出て、病院へお見舞いにうかがったのが、去年のクリスマス前でした。“とんちゃん、浜ですよ”と呼び掛けたら、ウウウとおっしゃって、ほんの10センチくらい起き上がられたのが最後でした」と振り返った。

 そして「ずっとずっと相手役でしたから、舞台の夫を失った思いがしています。喜劇を一緒に作り上げた戦友でした。100歳まで舞台をやるっておっしゃっていたのですが…。まだ、さよならは言えません」と話し、ショックの大きさをうかがわせた。

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