豊島八段 逆襲2勝目 歩の連打で逆転、反撃の一石二鳥決めた
2018年03月08日 05:30
芸能
![豊島八段 逆襲2勝目 歩の連打で逆転、反撃の一石二鳥決めた](/entertainment/news/2018/03/08/jpeg/20180307s000413F2450000p_view.jpg)
「(3四歩と)1本入ってやっと王が安定しました」
さらに52手目[後]7七歩。[先]同金と取らせて[後]7六歩の連打。
[後]3四歩の次の手に52分、[後]7七歩には31分。久保の混乱を物語るように消費時間は増えていった。「細かい技で王を固めての反撃でした。うまい手順だったと思います」。形勢を挽回した小技の積み重ねを解説の稲葉陽八段(29)は称賛した。
豊島とは小学時代からのライバル。挑んでははね返されたとはいえ、2010年度王将戦を含む3度のタイトル戦出場を稲葉は刺激としてきた。
稲葉も昨年、名人初挑戦。史上初、6人によるプレーオフに突入した今年の名人戦挑戦権争いでは、前年度順位から最短距離にいる。
藤井聡太六段(15)の台頭に羽生善治竜王(47)の永世7冠達成。今年度、20代タイトルホルダーが2人誕生したものの棋界の主導権を奪うまでには至らない。日本将棋連盟前会長の谷川浩司九段(55)は藤井が朝日杯オープンを制した先月、「20代、30代の棋士に対しては“君たち、悔しくないのか”と言いたい気持ちもあります」との談話を出した。
稲葉は「厳しく言われるのは当然。悔しいと思う気持ちがないと上には行けません」とし、同様の心情は豊島にもあると推し量る。羽生世代の復権も藤井の躍進も許さない。20代の意地が背水の陣を敷く豊島に託されている。
▼豊島将之八段 封じ手の辺りは形勢判断が難しいが、自信はなかった。(勝ちを意識したのは70手目)[後]1五歩と突いたあたりから。(2勝3敗に)厳しい状況は変わらないが、ベストを尽くしたい。
▼久保利明王将 先手なので積極的にいこうと思っていた。(豊島の52手目[後]7七歩は)きつかった。歩が入ってからはまずそう。(活用しきれなかった39手目[先]3六角は)他にも有力な手があったかもしれない。第6局へ、切り替えてやりたい。