榎木孝明ショック…浅見光彦シリーズの作家・内田康夫さん死去
2018年03月19日 05:30
芸能
榎木は「1カ月くらい前にお見舞いに行った際は、私のことを分かってくれていました」と明かし、「まだ大丈夫だと思っていたんですが…」。家族ぐるみで交流が深かっただけにショックが隠せなかった。
フジテレビ版のドラマや映画「天河伝説殺人事件」(91年)で浅見を演じ、内田さんから「もっとも浅見のイメージに近い」と絶賛されていた。鮮明に思い出されるのは内田さんと初めて会った30代の頃。顔を合わせるなり「あっ、浅見光彦がいた」と声を掛けられ、「自分にそっくりだよ」と大喜び。榎木は「年をとったら(あなたも)こんな顔になるんだ」と言われた。
訃報を知ったのはこの日朝。喪主を務めた作家で妻の早坂真紀(はやさか・まき、本名内田由美=うちだ・ゆみ)さんから連絡を受けた。「いつかは、と覚悟はしていましたが、ショックです」と榎木。かねて「延命措置は取らない」と聞いており「奥さまは“笑って送りましょう”と言っていた。素晴らしい作品を数多く残してくださってありがとうございます。ご苦労さまでしたと言いたい」としのんだ。
内田さんは、CM制作会社の経営をしていた1980年に自費出版した長編「死者の木霊」が注目され、46歳で作家デビュー。82年の「後鳥羽伝説殺人事件」から始まった浅見シリーズで人気に火が付き、西村京太郎さん(87)と並ぶ旅情ミステリーの書き手として活躍した。浅見役は榎木のほか、辰巳琢郎(59)、中村俊介(43)らが演じてきた。
▼妻で作家の早坂真紀さん 新聞連載していた小説「孤道」を完結させられなかったことには悔いがあり、療養中も「自分で書きたかった」と言っていたが、最終的には満足して亡くなったと思う。「孤道」の完結編を公募したことで「いい作品が集まるといいね」とも話していた。最期は本当に穏やかで、今にも笑いだすのではないかと思うほどだった。