中村倫也、カメレオン俳優「半分、青い。」でも本領 今度は“ゆるふわ”「この人何者?って」
2018年05月12日 10:00
芸能
「ト書には『切実さを感じさせないのが魅力』と。マイペースだったり、謎みたいなところがある人というのがあって。興味を引き付ける要素になる。ただ、やり過ぎても引き付ける要素が減ってしまうし、やらな過ぎても引き付けられない。いろんな役をやってきましたが、塩梅が一番難しかったですね」
――正人と自身で似ているところは?
「仕事モードじゃないときの話すテンポ。割と自分も遅くて、考えながら話すので微妙な間が生まれる。そういうのは使えるかなって思ったりした。19歳の役なので、共感とは違うかもしれませんが、正人も鈴愛も自分の人生を探し出したところ。そういう年頃のキャラクターを演じるのは久しぶりだったので、なんか甘酸っぱい気持ちになりました」
――鈴愛と律との共演シーンが多い。役の上で2人はどんな人?
「(脚本の)北川(悦吏子)さんのト書に『いつものふわりとした笑顔で』というのがあって、いつもニコニコしていましたが、(永野)芽郁ちゃん演じる鈴愛を見ていると自然に“ニコニコ”ってなるので凄く助かってます。それだけ目が離せないというか、愛くるしい存在。(佐藤)健との芝居は楽しくて。なんとも言えない空気感のシーンが多いんですけど、そのまま律と正人として存在していた。生っぽい空気感の中で、難しい構成をしっかりやれているなというか、やりがいがありましたね」
――今回の「ゆるふわ」も自身のイメージ通りの部分があって、「カメレオン俳優」ここにありという感じ。
「そう言われるのは本望です。正人は謎を残していて、つかめない感じがあるのですが、18歳でデビューしたときから『何をやっても実体がつかめない』って思われ続けたいというのがあった。これが中村倫也のはまり役という役が100人100様で見てもらえるように役者をやってきましたし、今回の正人も“はまり役だね”って思ってもらいたくて演じていました」
――永野芽郁の座長ぶりはどう映っている?
「僕から見れば、見ているだけで笑顔になれるヒロイン。それは朝ドラのヒロインとして重要な要素だと思う。日本中がちょっと明るくなるんじゃないかって期待しています。まだ18歳なので一生懸命真摯にやっていて、そして、少し目の届かないところで健がカバーでしている。「なんだ、お前ら」って感じですけど(笑)。鈴愛と律だなあって。正人の気持ちがわかるなって」
――前回の「風のハルカ」(05年後期)以来の朝ドラ。戻ってきた喜びはある?
「デビューして半年で撮影が始まった。今思うと、いろいろな人に迷惑をかけていたなあって。その当時、ディレクターをやられていた1人が、今回制作統括の勝田夏子さん。自分の中では恩返しというか、成長した姿を見せたいというのもあった。だけど意気込みすぎると正人でなくなるというジレンマもあって、精いっぱい肩の力を抜きつつ、内心必死にやっていました」
――朝ドラはリアルタイムでSNSでのつっこみが多い。気にする方?
「演じながら、いろんな人の反応がほしくて、そのためにニヤニヤしながらつくって、それを見た人がニヤニヤしているのを知ると、さらにニヤニヤさせてやろうってニヤニヤします…という思いを苦々しく思っています(笑い)」
――特に注目してほしいシーンは?
「登場から“なんだコイツ感”があると思うので、それが嫌味にならないように。ヒロインが上京して出会って、一気にこの人何者?って興味を持ってもらえるように頑張ったので、ぜひ興味を持ってほしいです。もし正人が登場しなくなったら、できればメディアには、起こっていなくても“正人ロス”が起こったかのように書いてほしいですね(笑い)」