是枝裕和監督「万引き家族」高評価相次ぐ パルムドールなるか カンヌ映画祭授賞式は20日未明
2018年05月19日 12:00
芸能
13日(同14日)に公式上映され、海外メディアの絶賛が続々。「VARIETY」は「チャーミングでもあり、胸が張り裂けるような、この素晴らしく巧みな映画はアートハウスファンだけでなく、メインストリームの観客の心もつかむだろう」、「SCREEN」は「国際的には『そして父になる』より成功する作品になるのでは」とし、仏カルチャー月刊誌「TECHNIKART」もパルムドール最有力に「万引き家族」を推したほど。
「SCREEN」の星取表でも、一時トップに立つ3・2点(4点満点、批評家10人の平均)。その後、イ・チャンドン監督の「バーニング(原題)」が「SCREEN」史上最高の3・8点(従来の最高は2016年「ありがとう、トニ・エルドマン」の3・7点)をマークしたが、「万引き家族」の高評価は揺るぎない。
仏紙「フィガロ」は17日、評論家5人のパルムドール予想を公式サイトに掲載。キリル・セレブレンニコフ監督の「夏(原題)」が最多3票。イ・チャンドン監督の「バーニング(原題)」が2票、「万引き家族」が1票、クリストフ・オノレ監督の「ソーリー・エンジェル(原題)」が1票と続いた。
今回のコンペ部門は全21作品、審査委員長は女優ケイト・ブランシェット(49)。
是枝監督のカンヌ映画祭参加は7回目、コンペティション部門出品は「海街diary」以来3年ぶり5回目。04年の「誰も知らない」は当時14歳の柳楽優弥が最優秀男優賞、13年の「そして父になる」は審査員賞に輝いた。
今回は新鋭・濱口竜介監督(39)の最新作「寝ても覚めても」(9月1日公開)もコンペ部門に選ばれ、好評。日本映画のコンペ部門への複数出品は5年ぶりとなった。1954年の衣笠貞之助監督「地獄門」、80年の黒澤明監督「影武者」、今村昌平監督の83年「楢山節考」、97年「うなぎ」に続く邦画21年ぶり5作品目のパルムドールとなるか。