岩田剛典 自室はこだわりインテリア満載 “崖っぷち家具”で磨く美的感覚
2018年06月12日 09:30
芸能
「はしごだけだと成立しない。周りとの調和、美しいバランス。このテーブルがあってお互いが生きた」
部屋全体のイメージは「ニューヨークの街角」。はしごは現地の工場を想起させるものとして、都内の家具店で買ってきた。ただ立てかけて飾るつもりだったが、玄関近くに置いただけに、はしごの段にスリッパを引っかけてラックとしても応用した。
「インダストリアル(工業)デザインが好きで、他人が見たらガラクタにしか見えないようなものでも買っちゃう。この人工的な雰囲気が落ち着く」
1年前までは北欧家具を集めていたが、ニューヨークの街中でインダストリアルデザインに触れ、感化された。コンクリート打ちっ放しの壁や、木と鉄を組み合わせたテーブルや椅子などのビンテージ家具。無機質でクールだが、作り込まれた温かみも感じる。そんな隠れた宝物である“崖っぷち家具”がどんどん部屋を埋めている。
「理想の80%ぐらい出来上がった。生活の中で一番過ごす時間が長いのが部屋。家でリラックスできるからこそ仕事に集中できる」
部屋作りはいつも、旅で得たインスピレーションを形にしている。仕事で海外に行くと、合間に訪れるのが美術館や個展。ニューヨークを拠点にした米国画家の巨匠、ロイ・リキテンスタインとアンディ・ウォーホルのポップアートにも影響を受けた。
「僕は自然よりも人工的に作られたものが好き。自分では作れないようなものを見るとひらめきが湧いて、それをインテリアで表現している。美的感覚が磨かれて進化していく感じです」
限られた時間の中でインプットすることを大切にしている。
仕事の疲れを部屋で癒やす。ただ、休むよりも、常に頭を動かしているのが好きだ。
「仕事の刺激で満足して、あとは休みたいっていうタイプじゃない。アートに触れて頭の中をぐるぐると回転させている方が心地いい」
最近、ドラマや映画でも活躍が目立つ。俳優として現場でよく考え咀嚼(そしゃく)して演じることから、スタッフからも厚い信頼を得ている。
「考えること自体が役づくりなんです。体形を変えることとか物理的なことを除くと、あとはひたすら考える」
民放連続ドラマに初主演した日本テレビ「崖っぷちホテル!」(日曜後10・30)では、主人公の服装を自ら決めた。ホテルマンなのに「ラフな格好」と脚本に書いてあるのを見て提案した。
「ホテルマンのきちっとした服装からかけ離れたものとして、まずスエットパンツを思いついた。色は一番だらしなく見えるグレー。寝間着っぽく見えるでしょ」。部屋のレイアウトだけでなく、衣装までトータルコーディネートする。
来年3月には30歳になる。どんな未来像を描いているのか――。
「残りの人生の時間を何に使うか選べる年。この世界で生きていくかもしれないし、新しいことを始めるかもしれない。夢がいっぱい広がっています」
大手企業からもらった内定を辞退し、何の保証もない音楽界に進んで成功した。人生は挑戦そのもの。将来、再び周囲を驚かせることに挑むかもしれない。インテリアで感性を磨くのは、将来の可能性を広げるためでもある。
「自分がいいと思ったものは掘り下げて吸収したい。飽き性なので、いきなりポイって捨てちゃうこともあるんですけど(笑い)」
1年半ぶりに再始動したEXILEのドームツアーが9月にスタートする。パフォーマー、俳優として多忙を極める一方で、人としての“模様替え”も忘れない。インダストリアル調の部屋のように、クールに見えてぬくもりもあるのが岩ちゃん。これからも好奇心旺盛に世の女性を夢中にさせていく。
≪役のイメージは「魔法使い」 17日最終話「崖っぷちホテル!」≫主演ドラマ「崖っぷちホテル!」は17日に最終話を迎える。破産寸前のホテルを訪れた謎の客(岩田)が副支配人となって再建へと導いていくストーリー。主人公はつかみどころがない不思議な性格で、岩田は「ファンタジーな世界の魔法使いをイメージして演じている。ある程度、自分のキャラクターのスパイスも入れているんですよ」と明かす。最終話ではホテルを訪れた本当の理由が明かされ、感動のクライマックスを迎える。
◆岩田 剛典(いわた・たかのり)1989年(平元)3月6日生まれ、愛知県出身の29歳。慶大卒。就職先の内定を辞退し10年、三代目JSBのパフォーマーとしてデビュー。14年にEXILEにも加入。11年に日本テレビのドラマ「ろくでなしBLUES」で俳優デビュー。16年公開の「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」で映画に初主演した。