フリフリ、早口…井川遥「半分、青い。」異彩キャラ・菱本若菜役は北川悦吏子氏の「私へのエール」
2018年07月01日 09:00
芸能
見た目はファンシーながら、一旦スイッチが入ると早口でまくしたて、風変りな秋風に負けないほどの異彩っぷりを放つ。その振れ幅が魅力なのだが、そんな菱本を自身は「実は人間くさい人」と分析する。
印象深い場面として挙げたのは、ヒロインの父・宇太郎(滝藤賢一)と電話でやり合ったシーンで「それまで菱本はあまり話すシーンがなかったので急に訪れた山のようでした」。クールさを保ちつつ、マシンガンのように怒りをぶちまけ、一方で目の前の秋風に「自分で作れ!!」と紙に書いて掲げる。「一連の流れを一気に撮りました。段取りを入念にして挑みましたが、何ページにも及ぶシーンでしたし『立て板に水のようにしゃべる』と書いてありましたから、緊張の連続でした」。菱本の持つ“人間くささ”をこの一場面であぶり出し、彼女が今作のスパイス的存在であることを視聴者に植え付けてみせた。
そんなクールで斜に構えたようなところがある菱本も、秋風との掛け合いのシーンでは長年の信頼関係が物語るようにズバズバ言いにくいことを言う。「本当におかしくて」と、自身も楽しんでいるよう。「そして秋風先生が鈴愛によって変わっていくように、菱本も、回を追うごとに、実は人間味のある人だなって感じてます」。
脚本・北川悦吏子氏とは2002年のドラマ「空から降る一億の星」(フジテレビ系)以来16年ぶり。朝ドラは06年の「純情きらり」以来12年ぶりとなった。初めて台本に目を通した時に「強烈だなって(笑)そういう役は今まであまりなかったのでものすごくうれしかった」と振り返る。「当時は、出来ない自分に情けない思いでいっぱいでした。そこから一歩一歩…。本当に小さな気づきを増やしてきて、気付いたら16年も。時間の流れを経て、今回イメージしていただけたことがすべて。この役を書いてくださったことが、北川さんの私へのエールというか、すべてなんだと思いました」。見守っていてくれていた北川氏への感謝の思い。だからこそ「それに応えたい」。
鈴愛の漫画家の、そして女性としての歩みとともに、秋風と菱本の関係性も気になるところ。番組の公式ホームページでは「秋風とは、男女の仲なのか?」とも紹介されているが「菱本としては、秋風先生を支えてあげたい、私じゃなくちゃって思ってるのかもしれませんが…。そこは謎めいたままで」。漫画家編はいよいよ最終章を迎える。