【柳沢慎吾のひとり甲子園“再現動画”】逆転日本一を呼んだ佐賀北「いけいけダンス」
2018年08月07日 09:00
芸能
2回戦で延長再試合を制し、準々決勝では優勝候補の帝京を延長戦で撃破。舞台設定も劇的な勝ち上がり方も、まるで漫画の世界。「がばい旋風」と呼ばれたけど、さすがにここまでと思われた。
試合は予想通り、8回表終了で広陵4―0。佐賀北は7回1安打に抑えられ、誰もが広陵優勝と思った。それが8回裏1死からこの日初の連打で、球場の雰囲気は一変。球場全体で手拍子が鳴り、広陵のアルプス以外“みんな佐賀北”状態。
満塁になり、その後のストライクと思われた一球がボールの判定で押し出しになった。野村くんは「声援でグラウンドが揺れていた」と振り返っていたけど、マンモスと呼ばれる甲子園の大観衆による応援、声援が魔物を呼び起こしたとしか思えない。だってこの直後、逆転満塁ホームランだよ!しかも「チャンスに弱い」とレッテル貼られてた副島浩史くんの一発。甲子園に行くと分かる。応援の力って凄いのよ。本当に。ここ抜きに、夏の甲子園の歴史は語れない。この連載、本当にやってよかった!
佐賀北のアルプス席はみんなで踊る「いけいけダンス」。♪いけ!いけ!おせ!おせ!…ってヤツで、この奇跡の優勝で“逆転呼ぶ魔曲”として一躍全国区になった。太鼓と声援だけの応援曲なのでブラバンのない高校に一気に浸透したね。
北福岡代表の折尾愛真はもともと女子校で、女子硬式野球部員が応援に来る。刺激になるよね。南福岡の沖学園は吹奏楽の演奏なしで戦ってきたけど、甲子園では卒業生らでブラバン&チアリーダーを結成。その後押しもあってか見事な勝利だった。
長崎代表は創成館。サッカーJ1「V・ファーレン長崎」の応援歌「V―ROAD」を使っていて、経営危機から初のJ1昇格を勝ち取った地元チームの勢いにあやかれるといいね。
星稜との開幕試合で惜しくも敗れた藤蔭(大分)。松井(秀喜氏)の始球式でも盛り上がったけど、あの強力なブラバン演奏と、紫のハチマキとメガホンの応援も忘れられない。星稜の勝利の校歌斉唱の時には藤蔭のアルプス席から手拍子。なんだかジーンときたよ。