22歳の奥山さん新人監督賞 スペイン映画祭史上最年少

2018年09月30日 21:42

芸能

 スペイン北部サンセバスチャンで開かれた第66回サンセバスチャン国際映画祭の授賞式が29日、開かれ、日本の奥山大史さん(22)の「僕はイエス様が嫌い」が最優秀新人監督賞を受賞した。22歳での同賞受賞は、欧州でも有数のこの映画祭史上最年少。日本人の同賞受賞は20年ぶり2人目。
 受賞について奥山さんは「日本でも世界でも無名の僕にこんな有名な賞を下さり、本当に光栄です。上映後の拍手と歓声を一生忘れません」とコメントした。審査委員長は「挑戦的なテーマだったが、子どもを使った純粋できれいな演出がなされていた」と授賞理由を説明した。

 受賞作は、東京から雪深い地方に転校した少年が主人公で、キリスト教の小学校で行う礼拝に当初戸惑うものの、小さなイエスが目の前に現れ、神の力を信じるようになるというストーリー。一部実体験に基づき、宗教や死生観が関わる重みのあるテーマをユーモアも込めて描いた。来年の日本公開を目指している。

 奥山さんは東京都出身。作品は青山学院大4年だった今年、自主映画として撮影した長編デビュー作。大学卒業後、大手広告会社に勤務している。

 スペイン語圏で最も注目されるサンセバスチャン国際映画祭では今年、映画監督の是枝裕和さんが生涯功労賞に当たる「ドノスティア賞」を受賞。最優秀新人監督賞は1998年に高橋陽一郎さんが受賞している。
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