【夢中論】片寄涼太 ビンテージの服のように…世代を超え長く愛される王子に
2018年10月02日 10:00
芸能
「洋服自体にアート性があるから、古着屋みたいに壁に飾ってみたら格好いいんじゃないかと思った。たまに入れ替えたり、手に取って着たりしています」
同ブランドの洋服を集め始めたのは約2年前。最近では8月、東京・渋谷のセレクトショップで買った。ロングTシャツにTシャツ、スエットの3着。いずれも97〜03年製のビンテージだ。
「15年、20年前の服なのに今も古くないデザイン。はやりすたりのない普遍的な価値を感じるから好きなんです」
グループは、今年初めてドームツアーを成功させるなど、今がまさに旬。片寄はその人気をけん引するイケメンボーカルで、俳優としても頭角を現している。8月発売の初のソロ写真集「グッバイ、ホワイト」は10万部を超えた。
「今は今で凄く幸せですし、ありがたい。でも、目指しているアーティスト像は、もっと時間をかけて続けていかないと出来上がらないと思っています」
夢はビンテージの服と同様、いつまでも変わらず愛される存在になることだ。先月、矢沢永吉(69)の東京ドーム公演を見に行き、その思いを強めた。
「年齢がロック(69歳)になられた矢沢さんが“やっと俺たち、ここまで来たな”っておっしゃると、会場が“ウォーッ”となって鳥肌が立った。あれだけのファンが何十年も付いてきてくれているのが凄い」
矢沢のようなアーティストになるために、ボイストレーニングはもちろん、得意のピアノを使って曲作りにも励む。歌詞も書き、思いついたらワンフレーズでもパソコンに残すなど、将来のために努力を重ねている。
自身のベースにあるピアノは特に大切にしている。高校の音楽教師である父親の影響で5歳から中学3年まで習った。ドームツアーでは大観衆の中で弾き、黄色い歓声を一身に浴びた。
「実家には2台のピアノがあって音楽に囲まれた環境でした。今思うと、この仕事に就いて、この(王子)キャラという意味でもピアノを習っていて良かった。本当に親には感謝しています」
ファンの注目度が高くなっても自分を見失わず、普遍的なものに価値を見いだそうとする姿勢は、ピアノを習っていたことも大きく影響しているようだ。
知名度が全国区になったのは昨年4〜5月の日本テレビドラマ「兄に愛されすぎて困ってます」だった。義妹を溺愛する兄を好演。人気は中国にも飛び火し「衝撃的でした。まさか海を越えて評判になるなんて。自分にとっても本当に大きなターニングポイントになりました」と興奮気味に振り返った。
その人気が今年、グループ初の中国ツアーを開催する原動力となった。思わぬ形でつかんだ好機を逃すまいと必死に中国語を覚え、ライブで積極的に話す姿は現地で好感を持たれた。
「棚ぼたの人気に乗っかるだけじゃなくて自分が引っ張らないといけないと思った。今後も続けられるように、せっかくのチャンスを生かしたかった」
一見、ひょうひょうとした王子だが、泥くさく、貪欲なのが片寄だ。洋服集めの趣味からもインスピレーションを受け、仕事につなげている。
「時間を積み重ねて愛されていく人、歌、洋服。ピアノもそう。普遍的なものへの憧れが強くなっている」
壁にかけた服に、理想像を重ねて眺めているのだろう。グループ名の「世代」を超越する存在になるために、王子は本物を追い求めていく。
<演じる「セレブ王子」のピアノ演奏注目>出演する日本テレビのドラマ「PRINCE OF LEGEND」(水曜深夜0・59)があす3日にスタートする。さまざまなキャラクターの王子たちが「伝説」を目指して競い合うストーリー。見どころの一つが「セレブ王子」を演じる片寄のピアノ演奏だ。
弾くのはクラシックの名曲。撮影前に実家で父親に指導を受けたこともあり「どの指でどの音を弾くか、1から5までの指番号を譜面に付けてもらって練習した。父には助けられました」と感謝した。
若い女性の注目度が高いドラマだが「ぜひ大人の方に見ていただきたい。突っ込みどころが満載。見ている娘さんに“こんなんでドキドキするなんて、あり得ないだろ”って突っ込んであげてほしい」と呼び掛けた。
◆片寄 涼太(かたよせ・りょうた)1994年(平6)8月29日生まれ、大阪府出身の24歳。GENERATIONSで12年11月にメジャーデビュー。数原龍友(25)とツインボーカル。14年7月にフジテレビのドラマ「GTO」で俳優デビュー。趣味はサッカーで、ピアノと同様に5歳から中3まで続けた。血液型AB。