王将戦・戦国時代(5) 渡辺棋王「飛車みたい」本多忠勝の繊細な腹の探り合い
2018年10月02日 18:00
芸能
若手の旗手として注目を浴び続けた俊英も気がつけば34歳。今回のリーグ戦も郷田真隆九段(47)に次ぐ年長者だ。「上から2番目になったんですね。それだけ若い人が出てきているってことでしょう」と感慨深げに話す一方で「ここである程度やれれば若い人に対抗できる。だめならシュンと沈んでいくのかな」と決意を示した。
天才中の天才が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する世界。「直感」や「第一感」といったアナログ的思考が主流の業界にあって、整合性のとれた論理的な考え方を好む。感想戦や中継解説などで理路整然に語る姿に感銘を受けるファンも多い。
そんな渡辺は最近の将棋界について「ここ1年くらい、凄い新戦法が出てこない。プロの将棋自体が煮詰まってきたかなって感じます」と分析している。観戦しているアマチュアから見ると「どれも同じ将棋に見えるのでは?」。そんな意識下で指すプロの対局とはなんだろう。「みんな同じ形をだいたい知っているわけで、ということは凄く細かいところから戦いが始まるんです」という。序盤、中盤での繊細な腹の探り合いにプロ棋戦の醍醐味(だいごみ)が隠されている、との主張だ。
将棋以外でも、競馬や欧州サッカーの知識は半端ない。野球も大好きで、特にヤクルトがお気に入り。「父が巨人ファンだったから反抗するために(笑い)」と告白するが、シーズン中は週初めに先発投手のローテーションを調べて勝敗を予想するなど、競馬的な楽しみ方を実践しているとか。実に多才な人だ。(我満 晴朗)
◇渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年(昭59)4月23日生まれ、東京都出身の34歳。2000年3月に四段昇格を決めた。永世竜王、永世棋王の資格を持つ。漫画家・伊奈めぐみ夫人との間に1男がいる。
このインタビューの全文はlivedoor NEWSに掲載される。