角替和枝さん死去 舞台に生きた64歳 夫・柄本明にみとられ旅立つ
2018年10月29日 05:30
芸能
自身も舞台「誰もいない国」(11月18〜25日、東京・新国立劇場)を控え稽古中なことから「今はそっとしておいていただければ幸いです」とつづり、自宅に集まった報道陣には対応しなかった。関係者によると、角替さんが亡くなった直後には、2人でよく通っていた自宅近くの喫茶店に1人で足を運んでいたという。
最期は柄本、長男の佑ら家族がみとった。次男の時生は海外で仕事のため、対面しておらず帰国した後に葬儀を執り行う。知人は「時生さんが海外にいてしばらく帰れない。時生さんは“かずえちゃん”と呼んで慕っていたから相当ショックも大きい」と話した。
角替さんは昨年から闘病していたが、今年に入ってからも仕事は続けていた。16年に始めた45歳以上のシニア向け演劇ワークショップ「角替和枝のお芝居入門」でも、9月までは稽古場で指導に当たっていたとみられる。数カ月前から体調が悪化し、7月には自身のツイッターを休止。関係者は「ギリギリの体力で最後まで演出の仕事などをされていたと思います」と振り返った。
角替さんは同じ「劇団東京乾電池」に所属していた柄本と1981年に結婚。長女と佑、時生と3人の子供に恵まれ、2人の息子を俳優に育て上げた。54歳の時にうつ病と診断され、自殺を考えるほどつらい日々を送ったが、柄本が優しく寄り添い続け、立ち直ることができた。
舞台のほかNHK朝のテレビ小説「花子とアン」、映画「ウォーターボーイズ」など数多くの作品に出演。名脇役として活躍した。佑の妻・安藤サクラ(32)が出産したばかりで、放送中の朝ドラ「まんぷく」への出演を迷っていた際、「あんた、これやらないなら一生仕事やめな」と叱咤(しった)して背中を押す肝っ玉母さんぶりも発揮した。
11月23日には演出を手掛けた舞台「さらっていってよピーターパン」が開幕するが、その初日を見届けることはかなわなかった。
《佑、みとり後に高知へ 義姉と舞台あいさつ》佑は27日の早朝に角替さんをみとったその足で高知市の「ウィークエンドキネマM」に移動し、主演映画「きみの鳥はうたえる」(監督三宅唱)の初日舞台あいさつに出席していた。
同地は角替さんの義理の娘である安藤サクラの姉で映画監督の桃子氏(36)の居住地でもある。2人はイベントで悲しみを顔に出すことなく、観客たちとトークセッションで盛り上がった。
《義娘・安藤サクラ まだ対面できず》義理の娘の安藤サクラは、角替さんが亡くなる前日の26日まで、大阪で主演を務めるNHK連続テレビ小説「まんぷく」(月〜土曜前8・00)の収録を行っていた。
関係者によると、「28日は別の仕事が入っていたため、まだ角替さんと顔を合わせていない」という。安藤は、きょう29日に再び大阪へ向かい「まんぷく」の収録に参加する予定だ。