“ストレス” と“癒やし”…受け取り方は両極端でも視聴者を満足させている秋ドラマ2本
2018年11月05日 06:14
芸能
テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(東京、対象960人)によると「主人公の境遇が不幸すぎてつらい」(32歳女性)、「主人公が仕事に追われている様子を見てつらくなった」(22歳女性)、「会社の様子やお人好しすぎるヒロインで見た後疲れる」(42歳女性)など、視聴者に “ストレス”を与えてしまっているネガティブな感想が多いように見えるが、初回満足度は3・95(5段階評価)と高満足度のライン3・7を超えGP帯秋ドラマで5位の位置につけた。その理由は「自分の状態とリンクしていて、感情移入ができる」(28歳女性)、「ガッキーに共感。こういう常識を知らない社会人多いよなー」(24歳女性)、「会社の仕事でつらい思いをして、頑張ってもやりきれなくなっている感じが共感できて引き込まれた」(51歳男性)など、つらい描写だが多くの“共感”を得られていることと、「見ていてつらいが続きは気になる」(45歳女性)、「奮闘している姿に応援したくなった」(20歳女性)、「これからの反撃に期待」(32歳女性)など、そのストレスをどのように主人公がはねのけていくのか期待感とともに満足度も高まっているようだ。
一方、“ストレス”とは対照的に視聴者から“癒される”と話題になっているのが、「僕らは奇跡でできている」。高橋一生にとって民放GP帯初主演となる作品で、動物行動学を教える大学講師で“フシギ”に目がない自由すぎる主人公と周囲の人々との交流を描いた心温まるヒューマンドラマ。主人公の生い立ちや設定が謎めいており、そこにドラマチックな部分を感じるが、ドラマを大きく動かす事件や事故は起こらず、ほぼ全編に渡って主人公の日々の生活と授業風景をコミカルにそして丁寧に描くというそれだけで物語を成立させる画期的な作品だ。
視聴者の感想を見ると「癒される雰囲気」(30歳女性)、「高橋一生さんの演技がよい。内容がほのぼのしていてリラックスして観られる」(29歳女性)、「高橋一生の浮世離れっぷりがおかしくもあり、癒される」(50歳女性)、「高橋一生演じる心やさしい先生に癒やされます」(59歳女性)など、“癒される”という回答であふれており、ドラマチックな展開はなくてもその癒やしこそがドラマの味となり好感度を高めている。
どちらの作品もこれまであまりなかったタイプのドラマ。さまざまなラインナップで視聴者をより楽しませてくれる豊作の秋クールになりそうだ。