宝くじで1億円当選したら…「末路本」マンガ版は現代人の「転ばぬ先の杖」
2018年11月28日 09:30
芸能
出版関係者を以前取材した時に「ビジネス本のマンガ化では有名な作家が起用される見通しだ」と聞いていたので気になっていた。今回は松浦まどかさん、飛高翔さん、岡本圭一郎さんら経済本をマンガにした書籍の作画を手掛けた面々が名を連ねており、“末路本マンガ”の画力の点からも満足度は高い。
収録されているエピソードは「事故物件を借りちゃった人」「キラキラネームの人」「ワイシャツの下に何を着るか悩む人」など10の末路。中でもタイトルになっている「宝くじで1億円当たった人の末路」は、万人が抱く夢と人間の欲望の恐ろしさとのギャップが痛感させられる。
日経BPの関係者は「原作本の加筆、修正を繰り返しているうちにむしろ似ても似つかぬものとなりました」と説明する。確かに原作本を読んでからマンガ版を見ても既読感はない。
「末路本」著者の鈴木信行さんがマンガ版を通じて伝えたかったのは「お金、人脈、才能…などが自分に欠けていると思って悩んでいる人は、悩みが消える点」だという。失敗に不寛容になってきた社会を生きる現代人のための「転ばぬ先の杖」になりそうだ。(安田 健二)