赤木春恵さん棺に3枚の「楽屋のれん」森繁久弥さんらから贈られた宝物
2018年12月04日 05:41
芸能
楽屋のれんは、舞台の座長が脇を固めてもらった俳優に対し、その俳優が主演舞台などの重要な作品を務める際に“頑張ってください”とのエールを込めて贈ることが多いもの。舞台関係者は「もらう側からすれば、贈ってくれた人に認められたということを意味する。昭和の大スターたちが、いかに赤木さんに信頼を寄せていたかを表す証です」と話した。
3人は赤木さんの女優人生と切っても切れない恩人。特に森さんは「ソウルメート」と呼んだ親友。1940年の戦時中、全国の慰問先に向かうトラックの中で出会った。既にスターだった森さんと意気投合し、女優として切磋琢磨(せっさたくま)する関係に。舞台「おもろい女」「桜月記」など多くの作品で共演。赤木さんは「何も言わなくても心が通じ合う」と信頼を寄せ、12年に森さんが他界した後も、ベッド脇に2人の写真を大事に飾った。
片岡さんには、若い頃から目をかけてもらった。「春恵」の芸名を勧めたのも片岡さんだ。森繁さんは、関西から東京へ活動の場を移すきっかけをつくった人。1959年から森繁さんの自由劇団に参加し、舞台「佐渡島他吉の生涯」では、アドリブを織り交ぜながらの息の合ったやりとりが評判だった。祭壇にはこの舞台の2人の共演写真も飾られた。
祭壇は赤木さんが大好きだったトルコキキョウなど、白とピンクの花で彩られた。優しくほほ笑む遺影は、87歳の頃に撮影された一枚。戒名は「圓優院釋尼春慧(えんゆういんしゃくにしゅんえ)」。穏やかで優しい人柄や、芸名からつけられた。
4日午後1時からは、同所で葬儀・告別式が営まれる。