ビートたけし 大河「いだてん」で見せる“芸人魂”
2019年01月13日 11:00
芸能
たけしはもともと志ん生に精通。子供の頃からラジオで志ん生を聴いて育ち、実際に生の高座を見たこともある。成人後も、落語の音源をほとんど入手し、最近では毎晩のようにその音源を聴いている。昨年6月にはその魅力を記した著書「やっぱ志ん生だな!」も出版した。多忙の中「いだてん」の出演を決めたのも、依頼された役が大好きな志ん生だったからだ。
全盛期の志ん生は丸刈り頭だったが、たけしは地毛のまま出演。しゃべり方もまねをするのではなく、いつも通りの“たけし節”を披露する。その演技プランについて菊之丞に「志ん生のまねをしたら、最終話までもたない。オレの志ん生で行く」と話したという。その偉大さ、落語の本質を知っていればこその結論だった。菊之丞は「私も“なるほど、その方が自然でいいですね”と言いました。落語で大切なのは自然さですから」と語る。
たけしと菊之丞が撮影の合間に繰り広げているのは落語談議。たけしは菊之丞に「志ん生が凄いのは、あれだけ偉い人が、偉そうにしゃべらず、観客のところまで下りてきちゃうところ、観客のふところに飛び込んでくるところ」と絶賛している。
そんな志ん生の魅力をたけしが体現するかのようなエピソードがある。寄席のシーンの撮影でカメラが回っていない時、50人ほどのエキストラの観客を飽きさせないように毎回、違う小話を披露した。撮影現場に笑いが広がり、本物の寄席のような楽しい雰囲気になった。
菊之丞は「たけしさんはお客さんを前にすると、燃えてくるようです。たけしさんに芸人魂を見せられています」と語る。たけしが生み出す志ん生に期待が高まる。