難しいお笑いの数値化…キートンR―1敗退で運営側批判 審査員を随時入れ替えなど厳正なジャッジを
2019年01月31日 22:05
芸能
お笑いのコンテストは本当に難しい。笑いの量を数値化できないという課題はついて回る。先日、ビートたけしが開催した「ビートたけし杯 漫才日本一」は、その日一番ウケていた「マッハスピード豪速球」が優勝した。審査員のジャッジと観客投票も一致。シンプルで分かりやすい構図だった。
参加者の不満を解消するためには予選会から審査員を随時入れ替えることも必要だろう。少人数で何年も同じ顔ぶれだとマンネリ化しやすく、基準も曖昧になりがちだ。人数を多くして、最高点と最少点をつけた審査員の点数を省いて平均値を取るなどして公平性を保つのもありだ。ここ数年「審査員の〇〇が好き嫌いで決めている」「審査員が、仲の良い女性芸人に肩入れしている」などと、根も葉もないウワサ話まで聞こえてくるほどだった。
昨年のM―1グランプリでは、とろサーモンの久保田かずのぶと、スーパーマラドーナの武智が泥酔して審査員の上沼恵美子に噛みついた動画をネットに投稿し大炎上した。人が人を判断するのだから演者としては納得いかないことがあることも理解できる。
芸人は2000円のエントリー料を払ってR―1に参加する。チャンスを掴むためにネタを作る。今回の予選でガリガリガリクソンが自身の“替え玉”としてリー5世を送り込み、見事に散ったのも一つネタとして考えると大アリだ。みんな面白いことを世間に届けるために芸人をやっている。
そもそも演者の誰もが納得して笑える大会を実現するのはハードルが高い。だからこそ私情を挟まない厳正なジャッジを望む。(記者コラム)