久保王将 引かず3連続ゴキゲン中飛車、渡辺棋王は端攻め仕掛ける
2019年02月07日 05:30
芸能
![久保王将 引かず3連続ゴキゲン中飛車、渡辺棋王は端攻め仕掛ける](/entertainment/news/2019/02/07/jpeg/20190206s000413F2354000p_view.jpg)
一方で久保としてはぜひともブレークバックを実現させたいところだ。そこで披露した戦術は、やはりゴキゲン中飛車。「そのつもりで用意していたので」と、王者はさりげなく明かした。これで3局連続のエース作戦投入。負けるとカド番に追い込まれるだけに、振り飛車の第一人者としても絶対に引けない。
対局室から見下ろせる那珂川のゆったりとした流れのように第1日の駒組みが柔らかく続く。唯一のアクセントは挑戦者の49手目[先]9五歩。副立会人の佐藤和俊六段(40)は「意外に早いタイミングでの端攻めです」と驚きを隠さないが、指された王将は「特に意外ではなかったですね」と軽く流す。第2局では厳しい端攻めに遭い、それが敗因ともなっていた。同じ手を2度食らうほど甘くはない。[後]同歩[先]9三歩の進行にも20分の時間を費やして[後]同香と冷静に対処した。
渡辺もじっくり構える。「全く同じ前例があるかは分かりませんが部分的には定跡の範囲内ですから」。連勝発進、さらに今対局は先手とプロ棋士ならばよだれを垂らしそうな好条件にも「第3局からはお互いひねり出す展開になる。内容も濃くなるので」と慎重だ。事実、4年前の第64期7番勝負では2連勝で迎えた第3局を落とし、最後は失冠。場所も同じ大田原だ。気を引き締めるのも当然だろう。
大駒同士の交換がなく、一見静かに終了した第1日。激しい開戦を告げる一手が、盤面のどこかに潜んでいる。