崔洋一監督 内田裕也さんに「安らかに眠るな」「あらぶる魂を与え続けて」
2019年04月03日 16:56
芸能
遺作となった「ザ・ノンフィクション 転がる魂 内田裕也」について「ある日、裕也さんのステージを見ていて、あ、裕也さんに好きなことだけ言ってもらおう、裕也さんが思うことだけ言ってもらおうと、たとえそれが真実じゃなくたっていいじゃないかと。それは内田裕也の人生の一コマになればという思いで作らせてもらいました」と回顧。同作はナレーションを裕也さんの妻で、昨年9月に他界した樹木希林さん(享年75)がナレーションを務めた。「希林さんも大変機嫌よくナレーションを取るスタジオに入られて、開口一番、『崔さん、これが私の最後のナレーションよ!』と。選んでくれたんだなと希林さんにも感謝しております」としつつ、希林さんがナレーションを務めることを聞かされ、「3秒黙ってました」と固まっていたことを明かし、「お2人しかわからない時間のありようがあるんですよね」と笑った。
弔辞では「裕也さん、安らかに眠るな。あらぶる魂を永遠に我らに」と呼びかけた崔監督。「多くの裕也さんに関わった者たちにとって裕也さんはあらぶる魂なんです。あらぶる魂はそう簡単に眠ってもらっては困る。後塵の私たちに、ソウルフルな、ローリングソウルを、あらぶる魂を与え続けてほしい」とメッセージ。「裕也さんの存在は内田裕也です。後も前もありません」とキッパリ。「一陣の風、決してやさしくはない風ですけど、荒々しく、私たちの前を駆け抜けていったなと。ちょっとすがすがしい」とほほ笑んだ。
▼DJ KOO(希林さんを通じて親交) 日本の音楽史の偉大な方。心からリスペクトしています。一番最初にお会いした時に、サングラスを取って、ご挨拶に行こうとしたら、裕也さんが『いいよいいよ、ミュージシャンなんだからそのままでいいから。サングラス取るなよ』って、すごく温かくしていただいた。初めは怖い方かなと思ったんですが、同じ音楽をやっている後輩というか、息子たちというか、そういう気持ちで迎えてくださっているというのがすごく伝わった。ロッケンロール魂というものを、違う形ではあると思いますが、受け継いでしっかりと頑張っていきたい。生き様を歌に伝えるという裕也さんのステージは何もかもがストレートに伝わってくる、原点ですね。ロッケンロール!