萩原健一さん、最期まで貫いた役者魂 腹水で痛み伴う中「ベルト締めて」
2019年04月04日 23:00
芸能
萩原さんは11年にGISTであることが発覚してからも気丈に振る舞ってきた。15年4月に再発した際には「正直言って真っ白になったのは確か」などと告白していた。昨年夏に行われたNHKドラマ「不惑のスクラム」の撮影でも体力が限界に近づく中、主治医からの延命手術を断り、覚悟を決めて作品と向き合った。
亡くなる前、最後の出演作となったのが同局大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」。第25回(6月末)から政治家・高橋是清役で登場する。
カメラには萩原さんが大量の腹水がたまって痛みが伴う中、稽古場で演技に向きあう姿が撮影された。スタッフには衣装のベルトをきつく締めるように要求。妻のリカさんが「おなかによくないよ」と心配するも「いいんだって。(締めないと)セリフが出ないんだから」と反応。役のために全てを懸けていた。
ビデオでは自身の思いを素直に告白。「GISTになっても、ウェルカムとは言いませんよ。不愉快ですよ。だけど、この難関、これも難関だと思っている。治そうとは思わないんです。抱えたままでいいです。人に迷惑をかけないで判断ができ、家内に心から正直なことが言えて。ただね、もし奇跡でもおこれば、あと5年は生きたいね」と笑顔で語った。