「大家さんと僕」大ヒットの「カラテカ」矢部にスポット
2019年04月12日 18:42
芸能
締め切り前日、吉本興業・東京本部の一室で1人、下書きを見ながら、タブレットに向かって、連載の清書に取り組む矢部。大家さんへの思いを1コマ1コマに込め、真剣な表情。鋭いまなざしは芸人ではなく、芸術家を思わせる。人物と吹き出しのバランスにこだわり、何度も繰り返し描き直す。合間に取る食事はゼリー飲料か栄養補給食品。ほぼ休憩せず4時間かけて半分の2ページの清書を終えた。帰り道、大家さんが大好きだった伊勢丹の参考写真を撮って帰途についた。
締め切り当日、残りの清書を自宅で完成した矢部は、最後の仕上げ作業にかかる。最終話は矢部が最後に大家さんをお見舞いに行った時のことがベース。「あれが最後だと思ってなかった」。大家さんと矢部が交わした最後の会話だ。最終話には、最後の最後まで矢部がこだわった1コマがあった…。
後編では「大家さんと僕」の最終話に取り組む矢部に密着。連載の当初から矢部を応援する吉祥寺の書店店員との交流も交え、食事も忘れるほど連載に集中する矢部の漫画家としての顔と、連載に込めた思いに迫る。ナビゲーター・黒田博樹(44)は「周りに対しても自分に対しても謙虚で真面目な姿勢が印象に残った」と語る。